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黴びたような色あいの半月が浮かんでいる。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:98% 作品を確認(amazon)
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......ができる。 そうだね? そのとおり。 ぼくはベッドを出る。日焼けした古いカーテンを引き、窓を開ける。そして首を突き出してまだ暗い空を見上げる。そこには間違いなく黴びたような色あいの半月が浮かんでいる。これでいい。ぼくらは同じ世界の同じ月を見ている。ぼくらはたしかにひとつの線で現実につながっている。ぼくはそれを静かにたぐり寄せていけばいいのだ。 それからぼくは......
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半月(はんげつ)
半月・・・半円の形の月。弦月(げんげつ)。弓張り月。
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