遠くで木魚を 叩く単調な音と、仏僧たちの悲しそうな読経の声を聞いた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:73% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
寺・神社・教会
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
...... 最後のフェレイラのこの言葉には司祭も疑うことのできぬ苦い諦めがこもっていた。夕暮の光はさきほどより力を失い、土間の隅には夕影が少しずつ忍びこみはじめた。司祭は遠くで木魚を叩く単調な音と、仏僧たちの悲しそうな読経の声を聞いた。「あなたは」司祭はフェレイラにむかってつぶやいた。「もう私の知っているフェレイラ師ではない」「そう、私はフェレイラではない。沢野忠庵という名を奉行からもらった男......
ここに意味を表示
寺・神社・教会の表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
「店・施設」カテゴリからランダム5
車椅子に座った子供達が黄色いボールを投げ合って中庭で遊んでいる。三人、みんな首がとても細い。捕球しそこなうと一人の看護婦がボールを拾う。一人よく見ると手首から先がツルンとして何もない子供がいて、彼は看護婦がそっと浮かせたボールを腕で打ってゲームに参加している。打ったボールは必ずよそへ逸れるが、子供は歯を見せて笑っていた。
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
同じカテゴリの表現一覧
店・施設 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ