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両足を大地に凍りつけたように、手を下すことも忘れて立った。
吉川英治 / 八寒道中 ページ位置:95% 作品を確認(青空文庫)
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呆れる・驚きで呆然
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......な運命的な流水に見えた。  すらすらと霜の土橋に足痕あしあとをのこして、今――その川向うの道を歩いてゆく、女と男のクッキリと見える影があった。 「? ……」  賛之丞は、その両足を大地に凍りつけたように、手を下すことも忘れて立った。  女は、お稲にちがいなかった。お稲はほつれ毛の顔をうつ向けて、髪にのせた手拭てぬぐいの端をくわえていた。また、三五兵衛は、その痩身と骨ばった白皙はくせきな顔とを、あからさまな霜光......
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