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驚きの比喩を使った文章の一覧(210件)
寝起きの顔へ水をかけられたような
夏目漱石 / 明暗
仮説の上に築きあげた幻想の城があっという間に崩れ落ちる。
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
油に足がとられたように力が徒(あだ)に動く
三島 由紀夫 / 潮騒 amazon
あやめの切り花のように、花を養う水が根から上がって来ないので、水分が不足したような顔つき
石川 達三 / 独りきりの世界 amazon
あまりの意外さに、理不尽な仕方で騙し討ちにあったような気に陥る
浅川 純 / 社内犯罪講座 amazon
これまで見たこともない光景が眼前に展開されるみたいに、息を呑んだまま唖然となる
笹沢 左保 / 終りなき鬼気 amazon
毒液でも注射されたように見る見る陰気な顔色になる
椎名 麟三 / 美しい女 amazon
心当たりのないところに矢が飛んできたという顔
干刈 あがた / ゆっくり東京女子マラソン amazon
ぽかりと口を開いたまま顔が空間に凍りついたようになる
池波 正太郎 / 剣客商売 amazon
全く耳にしない者の名を耳にしたといった面持ち
井上 靖 / 風林火山 amazon
わにのような大口をあけて、呆れたような表情をする
木山 捷平 / 苦いお茶 amazon
青く湿った能面のような顔
黒岩 重吾 / 背徳のメス amazon
青ざめて石膏のような顔は別人のよう
深沢 七郎 / 千秋楽 amazon
顔色が壁のように青褪(ざ)める
獅子 文六 / てんやわんや amazon
顔色がなえた草の葉のように色褪める
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
急に歳をとってしまったかのように、顔色がひどく濁る
黒井 千次 / 群棲 amazon
デスマスクを思わせる生気を失った顔
勝目 梓 / 日蝕の街 amazon
毒液でも注射されたように見る見る陰気な顔色になる
椎名 麟三 / 美しい女 amazon
人形の魂が注入されて行くような、奇跡を目の当たりに見ているような表情の変化
阿久 悠 / 瀬戸内少年野球団〈上〉 amazon
わにのように大口をあけて、呆れたような表情をする
木山 捷平 / 苦いお茶 amazon
目が覚めれば何もかも烟(けむ)になってしまうのではないかというような心持ち
永井 荷風 / おかめ笹 amazon
顔は透き通るほど白く、唇は霜が降りた花のようだった。
瀬名 秀明 / パラサイト・イヴ amazon
口を縦長に開き、水面で餌を食べる金魚さながらの面持ち
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
彼女だと分かった瞬間、頭の中の電灯がぱりんと破裂し、思考が真っ暗になりかけたが、慌てて気持ちを引き締める。いうなれば、非常用電源で、無理やり平静を取り戻したようなものだ。
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
「本当ですか」永遠に降り止まないような豪雨が、瞬時に止まったかのような驚きがあった。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
高所での綱渡りで、足を踏み外したかのような、寒気があった。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
不意に脾腹(ひばら)を突かれたような気がした。
志賀 直哉 / 暗夜行路 amazon
かんしゃく玉を噛みくだいたような衝撃
安部 公房 / 他人の顔 amazon
「きやあ。」と叫んで、あわてて湯舟から出た。すべてがちょうど金しぼりからとけたようなおかしな速度だった。
吉本 ばなな / 哀しい予感 amazon
心臓は波のような動悸をうち
坂口 安吾 / 白痴 amazon
氷を胸に当てられたようにヒヤリとした
石坂 洋次郎 / 山のかなたに amazon
血潮が逆流するような思い
林 芙美子 / 耳輪のついた馬「貧乏こんちくしょう 林芙美子作品集 (廣済堂ルリエ文庫)」に収録 amazon
毀れた泥人形のように、つやを失った
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
鳥のように見ひらいた眼
野上 彌生子 / 哀しき少年「野上彌生子全小説 〈8〉 哀しき少年 明月」に収録 amazon
血色のすぐれない雪解けのような顔
林 芙美子 / 市立女学校「林芙美子作品集〈第2巻〉清貧の書 (1956年)」に収録 amazon
ふと、秋の冷気に似たものが晉作の背筋を走った。思想と名づけるには、あまりに形のなさすぎる、だが感情と呼ぶには、厚味のありすぎる、強いて例えれば、眼にみえない手によって白刃を胸もとにつきつけられたような戦慄感であった。
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
修羅のように青ざめて
梅崎 春生 / 日の果て amazon
少女は銀目の猫のように碧い眼をみはって
森田 たま / もめん随筆 amazon
撞木(しゅもく)で胸を突かれたように、驚きの色を示した。
獅子 文六 / 胡椒息子 (1953年) amazon
軀の中の血が噴水のように音をたて眼や鼻から溢れ出そうな愕(おどろ)き
林 芙美子 / 市立女学校「林芙美子作品集〈第2巻〉清貧の書 (1956年)」に収録 amazon
下腹に風を入れられたような恐怖とも驚愕とも説明のできぬ気持
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
顔色の悪いことといったらまるで死人のようなのですもの。
長与善郎 / 陸奥直次郎 amazon
動悸が激しく鳴る。かくれんぼをする時の子供のような胸さわぎだ。
林 芙美子 / うず潮 (1964年) amazon
彼は白ペンキのように青ざめて
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
全身に冷水を浴びせられたように悸然(ぎょっ)とした。
加能 作次郎 / 世の中へ amazon
紙のように青ざめて、呆然としている。
石坂 洋次郎 / 山のかなたに (1954年) amazon
片山の顔がまた青くなった。信号並みによく色が変わるのだ。
赤川 次郎 / 三毛猫ホームズの推理 amazon
肚(はら)の底を揺がす鋭い号令に、電波に触れたように、三四郎は池から陸の上へ飛び上った。
富田 常雄 / 姿三四郎 上巻 amazon
京子の顔には、犬のような恐怖と驚愕だけがあった。
堀田 善衛 / 鬼無鬼島 amazon
あだかも名優の演劇(しばい)が幕明きにならぬ間に閉場(はね)てしまったように
内田 魯庵 / くれの廿八日「くれの廿八日 他一篇 (岩波文庫)」に収録 amazon
ドキッと心臓のとまった心地で無意識に横へ退(さが)り
森田 たま / もめん随筆 amazon
一万噸(とん)の戦闘艦が戦争(たたかい)の初まらぬうち沈没してしまったように
内田 魯庵 / くれの廿八日「くれの廿八日 他一篇 (岩波文庫)」に収録 amazon
破れるように大きく眼を瞠(みは)った。
林 芙美子 / 耳輪のついた馬「風琴と魚の町/清貧の書 (新潮文庫 は 1-4)」に収録 amazon
胆力が欠けている。先生と大きな声をされると、腹の減った時に丸の内で午砲(どん)を聞いたような気がする。
夏目 漱石 / 坊っちゃん amazon
靴の裏が梯子から滑る。心臓がそのまま下に落ちたのではないか、それくらい驚いた。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
頭上から巨大な石を落とされた感覚
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
「最近さ、運動不足を解消するつもりで会社終わったあと筋トレしてたら、高校のときの大腿筋が復活しちゃったみたいで、いままで穿いてたスーツの太ももの部分がきつくなって入らないんだよな。買いなおさなきゃいけねえ、めんどくせ」 「すごく発達してるんだね、太ももの筋肉」 「まあ最近使ってなかったからそれほどでもないけどね。おれ的にはまあまあかな」 自分で自慢をふったくせに謙遜されると、頼んでもいないのにあざやかな手つきで手品を披露された気分になる。で、隠された私のコインはどこへいったの?
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
その言葉が雷になって脳天につきささり、頭の電源が落ちて、スーツケースにつっこんでいる自分の手元が見えなくなりました。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
ロックという弾丸が鼓膜を突き破りヒロトに刺さった。
水道橋博士「藝人春秋 (文春文庫)」に収録 amazon
相手の驚きを自分の労力の報酬のように感じる
夏目漱石 / 明暗 amazon
驚いて、ゼンマイ仕掛けの人形みたいに立ち上がる
森田たま / 菜園随筆 amazon
顔面が真っ青で幽霊が飛び込んできたかと思ったほど
木山捷平 / 大安の日「白兎・苦いお茶・無門庵」に収録 amazon
脳みそに手術を受けたように驚く
小林秀雄 / モオツァルト amazon
半年の断食を終えたドラキュラ伯爵みたいな形相
大原まり子 / イル&クラムジー物語 amazon
その他の感情を表す比喩表現
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