なんとすばらしい火の美だろう、恐い魔術だろう、瞬間の光焔の中には見上げたものの魂がみんな燃えてしまった。
吉川英治 / 銀河まつり ページ位置:92% 作品を確認(青空文庫)
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打ち上げ花火
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前後の文章を含んだ引用
......―ほんの瞬間、真っ赤な光を千曲川の水面に映した。 ――夢だ! 夢みるような気もちなのだ。 誰もなんにもいうものがない。 上を向いたまま。 腕をくんだまま……。 なんとすばらしい火の美だろう、恐い魔術だろう、瞬間の光焔の中には見上げたものの魂がみんな燃えてしまった。 ことに彼等は、かつて見ない真の赤光に眼を射られて、茫然とわれを忘れていたが、疲れた網膜を、ふと足もとにやすめた時、ほとんどすべての者が同時に、 「大変だッ!」 ......
単語の意味
光炎・光焔(こうえん)
光炎・光焔・・・光と炎。光を放って燃える炎。転じて、とても雄大ですさまじい勢いのたとえ。
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打ち上げ花火の表現・描写・類語(夏のカテゴリ)の一覧 ランダム5
瞬き始めた空に花火が咲いた。一つ、二つ。九時から予定されている本格的な打ち上げの、前座みたいな花火だった。赤一色だけの火の花は、すぐに萎れて消えた。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
よく晴れた夜空を覆い尽くすように、巨大な菊型の花火が炸裂した。手を伸ばせば届きそうなほどの近さだった。光の玉が一瞬のうちに視野いっぱいにまで広がってゆく。きらきらとした火の粉が今にも顔面へ降りかかってきそうだった。横に目をやると、浅倉佐知子が瞳を大きく開けて空を見つめていた。花火が赤や緑へと色彩を変えるたびに、菊や滝が空一面に広がるたびに、浅倉の頬は様々な色に変化していった。
瀬名 秀明 / パラサイト・イヴ amazon
(遠くに見える花火は)どんな手品師も敵 わないような立派な手品だったような気がした。
梶井基次郎 / 城のある町にて
乾いた音が遠くに聞こえる。花火の空砲の音だ。夏祭りを告げる音だ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
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「夏」カテゴリからランダム5
光の中に棘があって、剣山で素肌を刺すような暑さ
林 京子 / 道 amazon
木々の葉の甘いにおいと爽やかな花の香りがほのかにしみこんでいる、爽やかな夏の朝の風
山本周五郎 / 忍緒「髪かざり」に収録 amazon
一雨ごとに、芒 はのびて、もう武蔵野は、夏めいてくる。
吉川英治 / 野槌の百
「空・中空」カテゴリからランダム5
藤色の空に物憂い月が出て居る。卯の花のように白い白い月が。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
なまけものに夢を見させる、あの金色の小さなやつさ。
サン=テグジュペリ / 星の王子さま amazon
月は高く明るく、星をかき消して夜空を渡ってゆく。満月だった。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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