瞬き始めた空に花火が咲いた。一つ、二つ。九時から予定されている本格的な打ち上げの、前座みたいな花火だった。赤一色だけの火の花は、すぐに萎れて消えた。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 ページ位置:59% 作品を確認(amazon)
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打ち上げ花火
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前後の文章を含んだ引用
......女心なんてわかんないのよ」「乙女だって」 吹き出したのは、真央だった。ほんとに、あたしの周りには、ろくな男が生息していない。 嘆くつもりで顔を上に向けた時、星が瞬き始めた空に花火が咲いた。一つ、二つ。九時から予定されている本格的な打ち上げの、前座みたいな花火だった。赤一色だけの火の花は、すぐに萎れて消えた。「うぉっ、花火だ」 如月が口にリンゴ飴をくわえて、拍手する。つられたのか、沿道の人々の中からも、まばらな拍手がおこった。「ちょっと、恥ずかしいでしょ。幼稚園児じ......
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打ち上げ花火の表現・描写・類語(夏のカテゴリ)の一覧 ランダム5
よく晴れた夜空を覆い尽くすように、巨大な菊型の花火が炸裂した。手を伸ばせば届きそうなほどの近さだった。光の玉が一瞬のうちに視野いっぱいにまで広がってゆく。きらきらとした火の粉が今にも顔面へ降りかかってきそうだった。横に目をやると、浅倉佐知子が瞳を大きく開けて空を見つめていた。花火が赤や緑へと色彩を変えるたびに、菊や滝が空一面に広がるたびに、浅倉の頬は様々な色に変化していった。
瀬名 秀明 / パラサイト・イヴ amazon
花火という怪美な火の魔術
吉川英治 / 銀河まつり
この玉から彼が苦心の赤光 が放てなかったら
吉川英治 / 銀河まつり
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「夏」カテゴリからランダム5
熱い空気がじっとりと汗ばんだ全身を包んでいた。目を閉じると、まぶたの裏が赤かった。陽に焼けていく。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
「空・中空」カテゴリからランダム5
眼下には金色の絨毯のような雲がひろがり
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
墨のような黒雲が一面にあたりをとざす
芥川龍之介 / 杜子春
音を立てないばかりに雲は山のほうから沖のほうへと絶え間なく走り続ける。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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