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父はなにも言わない。見舞いを喜びもしない代わりに嫌がることもない。僕もほとんど声はかけない。見舞いというより墓参りをしているような気分で、ただぼんやりと、ゆるやかに死んでいく父を見つめる。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 ページ位置:2% 作品を確認(amazon)
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黙る・沈黙
植物状態
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前後の文章を含んだ引用
......をきかず、横を向いたきり目も合わせず、もはや実際にそうする体力は残っていないのだが、白湯の入った吸い飲みを伸之に投げつけようとしたこともあったという。 僕には、父はなにも言わない。見舞いを喜びもしない代わりに嫌がることもない。僕もほとんど声はかけない。見舞いというより墓参りをしているような気分で、ただぼんやりと、ゆるやかに死んでいく父を見つめる。 秋の初め、智子に勧められて、父を車椅子に乗せて病院の中庭を散歩させたことがある。父はそのときもとりとめのないことを二言三言しゃべっただけで、僕もコスモスがきれ......
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黙る・沈黙の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
むっつり黙りこんだ。
宮本百合子 / 伸子
しゃべり過ぎたことを後悔するかのように口をつぐんで
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
しばらくは三人鼎坐 のまま無言である。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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植物状態の表現・描写・類語(健康・体調・病気のカテゴリ)の一覧 ランダム5
全身にチューブを差し込まれ、骨と皮だけになって、混濁した意識のなか、ただ生きているというだけの生を生きて……もうすぐ、その命も尽きる。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
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「声・口調」カテゴリからランダム5
吉川英治 / 増長天王
自信を持って断言するように、一語一語に力を込めてはっきり言う
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
柔らかい口調で話し掛けている。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
「健康・体調・病気」カテゴリからランダム5
今夜のビールは、ビールの味がほとんどしない。歯医者でステンレスのヘラを舌に押し当てられたときのような、味とも感触ともつかないものが口の中いっぱいに広がる
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
疲れが、じくじく水を吸うよう海綿のように僕の内部でふくらむ
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
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