なるほどな。もう一度、深呼吸とともに思う。なるほどな。吐き出す息が、ため息の重さになる。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 ページ位置:29% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
ため息・吐息
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......、もちろん。いまだって、美代子の言葉を噓だと断じる証拠など、なにもない。だが、僕はもう知っている。我が家の終わりがどんなふうに始まったかを、もう見てしまった。 なるほどな。もう一度、深呼吸とともに思う。なるほどな。吐き出す息が、ため息の重さになる。確かに、ここも、僕にとってたいせつな場所だ。あの頃は気づくことのなかった、たいせつな一日の、たいせつな場所に、いま、僕はいる。 あとしばらくすれば、広樹が姿を現......
単語の意味
溜め息・溜息・ため息(ためいき)
溜め息・溜息・ため息・・・気苦労や失望、また、感動したときや緊張がとけたときに、思わず出る大きな息。大息(おおいき・たいそく)。長息(ちょうそく)。
ここに意味を表示
ため息・吐息の表現・描写・類語(嫌いのカテゴリ)の一覧 ランダム5
ふう、とわざわざ声に出して肺の中身をすっかり出してしまうようなわざとらしいため息をついて
川上 未映子 / あなたたちの恋愛は瀕死「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
句読点を打つように短いため息をついた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「嫌い」カテゴリからランダム5
私はすうっとあきらめの風が吹いた。
林芙美子 / 新版 放浪記
彼女は何かにしっかり捉まりこの苦しい疲れる衝動を制したかった。
宮本百合子 / 伸子
「安心する」カテゴリからランダム5
全身の疲労を洗い落されるような気持
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
自分の生活が壊れてしまえばほんとうの冷静は来ると思う。水底の岩に落ちつく木の葉かな。
梶井基次郎 / 冬の日
「呼吸」カテゴリからランダム5
口から白い息をむらむらと吐き出す
有島武郎 / 生まれいずる悩み
欠伸のあとの涙が、まち子姐さんの目に 滲んでいた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
今にも咳が飛出しそうな長い、太い溜息を吐 いた
夢野久作 / ドグラ・マグラ
「感動」カテゴリからランダム5
男らしい君の胸をぎゅっと引きしめるようにして、熱い涙がとめどなく流れ始めた。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
満員の公会堂が震えるような拍手が起った。
向田邦子 / だらだら坂「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
周囲の人間の溜息が彼ら自身を草木のようにそよがせる
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
わけがわからなくてしばらく立っていた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
嫌い の表現の一覧
安心する の表現の一覧
呼吸 の表現の一覧
感動 の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ