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胸で喜びを感じるときの表現・描写・類語
胸に喜びが兆し、次第に強固な根を張る
三島由紀夫 / 金閣寺 amazon
胸に凱歌のような明るい光が満ちる
椎名 麟三 / 永遠なる序章 amazon
切ない胸の中が、もうからりと晴れるよな心持
宇野 千代 / おはん amazon
めったに見せない極上の笑顔だ。美咲のこの笑顔に接するたびに、あたしは花を見る。ほころびかけた小さな花の蕾だ。美しくて、清々しい。胸の奥が熱くなる。こんなふうに、花のように微笑むことのできる人を、あたしは美咲より他には、まだ知らない。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
なんとも言えない幸福な感謝の心が、おさえてもおさえてもむらむらと胸の先にこみ上げて来た。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
それらの言葉が拳 となって続けさまに胸を打つ
有島武郎 / 或る女(前編)
苦い清涼剤でも飲んだように胸のつかえを透 かしていた。
有島武郎 / 或る女(前編)
胸がはちきれて、ドキドキする
林芙美子 / 新版 放浪記
胸は嬉しさではち切れそう
林芙美子 / 新版 放浪記
すべて忘れて尊敬してしまうような才能、それは彼女の笑顔だった。 営業用の笑顔のバリエーションを百も持っていた彼女がふと、何の目的も意図もなく無心に笑った時、その笑顔は欠点のすべてを帳消しにするくらい、人の胸を打った。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
そうしたら不思議なことに、胸がすっきりしていた。 それはなくなると、まるでなかったことのように思えた。どういうふうに圧迫されていたのか、もう思い出せなかった。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
苦しいようなうれしさに胸を詰まらせながら
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
「本当に、うっとりしました。」と、彼女はあまり大袈裟な笑顔を作らずに胸に手を当てた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
話が通じ合うということの純粋な喜びが、胸の奥底に恍惚感となって広がっていった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
なにか気の利いた演説でもしようと思っていた。なのにいま、胸にこみ上げてきた喜びと興奮で佃の脳は思考停止し、出てくるのはただ感謝の言葉だけだ。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
ゆるやかな歓喜が胸に押し寄せてきた。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
(デートの)待ち合わせの時間が近づくと、一刻一刻がずきんずきんと音を立てて胸に刺さってくるようだった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
よろこびが胸の中で 弾けた。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
胸には静かな幸福な気持が自然に 湧き上って来た。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
数十年振りに少年のような気持になり、胸をときめかせた。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
うずくような 悦びで司祭の胸をしめつける。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
歓喜に似た感情が、胸の中でふくれて来るのを私は感じた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
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