男が司祭の両手をうしろに縛った。縄は体を少しでも動かすと、思わずくいしばった歯から声が洩れるほど手首に強く食いこんだ。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:75% 作品を確認(amazon)
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拘束される
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前後の文章を含んだ引用
......。 想像通り翌日まず朝食が与えられなかった。昼近く錠が開いて、「出ろ」 今まで顔を見せたことのない上半身、裸の大男が顎をしゃくってみせた。 部屋を出るとすぐこの男が司祭の両手をうしろに縛った。縄は体を少しでも動かすと、思わずくいしばった歯から声が洩れるほど手首に強く食いこんだ。縄を縛る間、この男は司祭のわからぬ罵言を浴びせかけていた。いよいよすべての結末が来た、という感情が司祭の体を走ったが、これはふしぎに今まで味わったことのない清冽......
単語の意味
体(からだ)
体・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
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拘束されるの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
ガムテープでぐるぐる巻きにされた少年は椅子と同体だった。どんなに暴れようとも椅子から逃れられないその姿は、悲壮感の塊に見えた。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
登った木から降りられなくなった猫みたいに、どこへも行けず
中島 京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録 amazon
男が司祭の両手をうしろに縛った。縄は体を少しでも動かすと、思わずくいしばった歯から声が洩れるほど手首に強く食いこんだ。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
爪先の収まりの悪さに登山靴を意識して
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
月を取ろうとするかのように腕をあげる
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
声を立てないのは、死んでいるのではなく、強く首の根を締めあげられているからで
吉川英治 / 八寒道中
(被写体がカメラのレンズを見つめる)レンズからファインダーを遡って牛河を観察している。水が屈曲した配水管を逆流していくように。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
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