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船は少しずつ揺れて、ばたんばたんと船の胴を打つ波の音が聴えた。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:26% 作品を確認(amazon)
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......、そのまま乗り越す事にした。 段々身体が冷えて不愉快になって来た。彼は船室へ降りて行った。二等というので客は五六人しか居なかった。その中に混って彼も横になった。船は少しずつ揺れて、ばたんばたんと船の胴を打つ波の音が聴えた。彼は少し睡かったが、眠れば風邪をひきそうなので又起きて、持って来た小説本を読み始めた。「御退屈で厶ります」洋服の腕に二本金筋を巻いた船員が自分はレコード、蓄音器......
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