鈍い頭痛が脈打つ

普通の頭痛とは異った、額から後頭まで箍（たが）でもはめるように緊めつけられる感じ

ただの頭痛とは違う。脳が肥大し、内側から頭蓋を圧迫している。

頭がガンガン割れるように痛い

しびれるような頭痛

すごく強い薬で眠ってる。

（食事に多量の睡眠薬を盛られる）全部たいらげた。萃（人名）はそのあいだビールをちびちびと飲みながら、小さな背中でテレビを見ていた。何かいやな感じがまだつきまとっていた。部屋が静かすぎる。夕方が長すぎる。テレビの音が空寒いほどよく響く。少しずれていた。気持ちと、時間の流れと、現実の空間。初めてあったときに比べて、萃が小さすぎる。 　まさか本当に毒が入っていると、誰が思うだろうか。 　次にかろうじて意識があったのは、「このひと、乱暴に運ぶなぁ。」というところだった。床をずるずる引きずられていた。体が重くて動かず、口も回らなかった。まぶたがまるで力ずくで閉じられているように見ようとすればするほどつぶってしまう。でも、私は何が起こっているのか見ようとしていた。

（睡眠薬が効いているのに上体を起こす）ボンドで床に張りつけられた体を、べりっとはがすような痛みがあった。 　私はじりじりと体を起こした。意識はほとんどなかった。幽体離脱みたいに（体験したことないけど）、心だけがはっきり、ふうっと起き上がったようでもあった。 　目は閉じていた。

薬屋をみつけては、小さいカルモチンの箱を一ツずつ買う。死ねないのならば、それでもいいし、少し長く眠れるなんて、幸福な逃げ道ではないか、すべては直線に朗かに。

（多量の睡眠薬を服用後の目覚め）頭を少しでも動かすと痛みが走り、体中がひきつれるようだった。

（多量の睡眠薬で寝た後に起こされる）力強く揺さぶられて目が覚めた。瞬間、異常に頭が痛かった。何かで刺されたかと本気で思うくらいだった。とがった痛みが私を打ちのめした。口がからからに乾いていた。

全身に波を打ってくるような苦痛

腹の底にごつごつした石を詰め込まれたみたいだった。

父親は途切れることのない昏睡の中にいた。麻痺が慈悲深い衣のように、彼の全身を包んでいる。

あれほど先生を恨んでいた私の心が、クラゲのように軟化してくる

（元気がなくて寝てばかり）このままＳＦのようにふとんの中でゼリーになってしまいそう

（起こされる）「起きろ」という声が頭の中で壊れた拡声器のようにわんわん響く

病人は暗がりの中で、灰色の石のように横たわっていた。

ハードでタイトな眠りだった。《…略…》固い固い鉄球の中で僕は体をくるりと丸めてリスのように深く眠っている。ビルを壊す時に使うような鉄球。中がくりぬいてある。その中で僕は眠っている。ハードでタイトでシンプルで・・・・・

睡魔が鉛のように重く、打ち克ちがたく私に襲ってくる。