(果物屋の)前へさしかかると、各種果物の芳香が路上にまでたちこめていて、うっとりとなった
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:83% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
いい匂い
八百屋・果物屋
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前後の文章を含んだ引用
......いてつくられる。 そこが、ちがう。 果物店として、世に知られている誇りが、そうさせるのだ。 少年のころは、あまり果物などを好まなかった私だが、夕暮れの町を万惣の前へさしかかると、各種果物の芳香が路上にまでたちこめていて、うっとりとなったものだ。 その芳香に、こころひかれて、ホットケーキの後のコーヒーで食べるメロンやオレンジ、白桃などの旨さは、たとえようもないものだった。 ことに、浅草の家の近く......
単語の意味
芳香(ほうこう)
立ち込める・立ち籠める(たちこめる)
芳香・・・芳(かぐわ)しい香り。いい匂い。素敵な香り。
立ち込める・立ち籠める・・・煙や霧などの気体が、あたり一面を覆う。
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いい匂いの表現・描写・類語(におい・香りのカテゴリ)の一覧 ランダム5
花びらの薫りの中に、自分の首がすっかり埋まってしまったような夢見心地
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
絶望を甘く煮つめたシロップのような香り。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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八百屋・果物屋の表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
果物屋ではリンゴにみがきをかけている男がいる。
林芙美子 / 新版 放浪記
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花びらの薫りの中に、自分の首がすっかり埋まってしまったような夢見心地
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
看護婦達に、彼は山野の清冽な幻想を振り撒いてやるために、そっと百合の花束を匂い袋のように沈めて
横光 利一 / 花園の思想 amazon
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レストランというより洋食屋さんのようなところ
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
(地下街)駅舎内の連絡通路に入り、最初に目についた階段から地下街に下りる。両側にテナントショップの並んだ路は先が見えないほど長く、途中で複雑に分岐している。何種類もの音楽と、電子音と、無数の足音と、どこかで動いている巨大な空調機器のゴーっという音と、もっと深いところからくる地下鉄の地鳴りとが、入り混じって反響し合う通路を進んでいく。ところどころに地上への階段の開口部があって、そこからは剥きだしのクラクションやエンジン音が、前世の記憶みたいに流れ込んでくる。しゃべりながら歩いている者は誰もいない。膨大な音のなかに、そういえば人間の肉声だけが含まれていない。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
市場のようににぎわい続ける街
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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