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(闇の中の一軒家)ただ一軒の人家しかない、そしてその家の燈 がちょうど戸の節穴から写る戸外の風景のように見えている、大きな闇のなかであった。街道へその家の燈 が光を投げている。
梶井基次郎 / 蒼穹 ページ位置:76% 作品を確認(青空文庫)
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暗い・闇
屋内から外に洩れる明かり
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前後の文章を含んだ引用
......持に捕えられた。そのとき私の心をふとかすめたものがあった。それはこの村でのある闇夜の経験であった。 その夜私は提灯 も持たないで闇の街道を歩いていた。それは途中にただ一軒の人家しかない、そしてその家の燈 がちょうど戸の節穴から写る戸外の風景のように見えている、大きな闇のなかであった。街道へその家の燈 が光を投げている。そのなかへ突然姿をあらわした人影があった。おそらくそれは私と同じように提灯を持たないで歩いていた村人だったのであろう。私は別にその人影を怪しいと思ったのではなか......
単語の意味
軒(のき)
風景(ふうけい)
軒・・・屋根の端の下にさがった部分で、建物の外壁より突き出ている部分。
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
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