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光はまだそこかしこにあふれているのに、一番星と月がひっそりと浮かび、雲が刻々と姿を変えていた。木々の根元には暗闇が忍び込もうとしているが、その気配はまだ弱々しく、夜の訪れまでにはもうしばらく猶予がある。一日のうちで、私たちが一番好きな夕方だった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:91% 作品を確認(amazon)
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夕方
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前後の文章を含んだ引用
......間、忘れ去られていたのだろう。テーブルクロスは皺だらけだった。 残暑は去り、空気は乾いて透き通り、中庭に射す母屋の影の形も、木立の葉の色合も真夏とは違っていた。光はまだそこかしこにあふれているのに、一番星と月がひっそりと浮かび、雲が刻々と姿を変えていた。木々の根元には暗闇が忍び込もうとしているが、その気配はまだ弱々しく、夜の訪れまでにはもうしばらく猶予がある。一日のうちで、私たちが一番好きな夕方だった。 博士は安楽椅子の脇にアイロン台をしつらえ、早速仕事に取り掛かった。何と彼はコードの引き出し方から、スイッチの入れ方、温度調節の仕方までをも心得ていた。テーブル......
単語の意味
刻刻・刻々(こくこく・こっこく)
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵(すがた)
暗闇(くらやみ)
暫く・姑く・須臾(しばらく)
刻刻・刻々・・・1.時間の流れの、その時その時。
2.時間が経つにしたがって。時間の経過ともに状況が目立って変化していくさま。
同じ漢字を重ねることで、語調を整えて意味を強めた表現。
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵・・・1.身体の形。からだつき。人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
暗闇・・・1.暗い闇。光がなくて見えない状態。また、そういう場所。
2.人目につかない場所。人の知らない場所。
3.1が転じて、希望がもてないこと。見通しが立たず将来に不安を感じている状態。
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
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夕暮れで山の端が桃色に染まっていた。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
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