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いつの間にか雲が厚みを増し、中庭は夕闇と西日が入り混じって、薄紫色のセロファンに包まれたようだった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:74% 作品を確認(amazon)
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夕方
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前後の文章を含んだ引用
......していた。「果物でもお切りしましょうか」 私が声を掛けると、博士は安楽椅子に横たわったまま振り返った。「すまないね」 日が暮れてしまうには間があるはずだったが、いつの間にか雲が厚みを増し、中庭は夕闇と西日が入り混じって、薄紫色のセロファンに包まれたようだった。少しだけ風も出てきた。私はメロンを切って博士に手渡し、安楽椅子の傍らに腰を下ろした。「君も食べなさい」「ありがとうございます。どうぞお気遣いなく」 博士はフォー......
単語の意味
夕闇(ゆうやみ)
西日(にしび)
夕闇・・・日が沈んで、月が出るまでの間の薄い暗闇。夕方、月がなくて暗いこと。
西日・・・西に傾いた太陽の光。とくに、真夏の変わらず衰えない夕方の日差しについていう。
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夕方の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
外の日の光は、いつの間にか、黄いろく夕づいた。
芥川龍之介 / 運
陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時
太宰治 / 走れメロス
夕方の気配が、街にしのびよってきていた。陽にはかすかにオレンジが混じり、西の雲は明るく光りはじめた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
昏(く)れかかった灰色の空が、墨の滲みのような濃淡を去来させている
松本 清張 / 空白の意匠―松本清張短編全集〈10〉 amazon
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「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
黎明 の光が死海の向うに 拡がるモアブ山脈を白っぽく染め、
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
西日が私たちの足元に長くのびていた。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
窓の外だけが極彩色の世界に生まれ変わりつつある。それはつまり今日一日が生まれ落ちる濃い瞬間なのだった。遠くまで、朝の光で海がかすかに照らされている。
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
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