宵闇の街に立っていても彼女は派手で、浮いていた。黒いスーツを着て、雑踏に紛れていても、何か切実な、それでいてさりげないものをかもしだしていた。 表現している、と私は思った。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:65% 作品を確認(amazon)
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......とになった。風が通せるからうれしい、と彼は言ったそうだ。私は母がバリから戻る前に、母に黙って急きょ弟を連れ出すことにした。 鍵をかりるので栄子と待ち合わせた。 宵闇の街に立っていても彼女は派手で、浮いていた。黒いスーツを着て、雑踏に紛れていても、何か切実な、それでいてさりげないものをかもしだしていた。 表現している、と私は思った。 生きているだけで、絶え間なく表し続けている。「栄子。」 と声をかけると、笑ってこちらを向いた。 私はぎょっとした。ほっぺたに白い、大きなガーゼがはってあるのだ......
単語の意味
宵闇(よいやみ)
宵闇・・・1.宵(日が暮れて間もないころ)の薄暗さ。夕闇。
2.十五夜(毎年9月中旬~10月上旬)を過ぎた後の、月が出るまでの間の暗さ。
2.十五夜(毎年9月中旬~10月上旬)を過ぎた後の、月が出るまでの間の暗さ。
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宵闇の街に立っていても彼女は派手で、浮いていた。黒いスーツを着て、雑踏に紛れていても、何か切実な、それでいてさりげないものをかもしだしていた。 表現している、と私は思った。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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「ありたけの魂をすっかり投げ出して、どうでもして下さいと言いたくなるような寂しさですね」
岡本かの子 / 東海道五十三次
(水枕)耳の下で水枕がプカンプカンと音を立てている。《…略…》頭を動かすたびに、なまぬくい水がふなべりを叩く波のように鼓膜に伝わってくる。
向田 邦子 / 耳「思い出トランプ (新潮文庫)」に収録 amazon
梶井基次郎 / 雪後
手を甲から覆うようにして握った。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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