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その時不意に博士が立ち上がり、拍手をした。たとえフェルマーの定理を証明した人でさえ、これほどの称賛は受けられないだろうと思うような、力強く、温かい拍手だった。それは家中に響き渡り、いつまでも鳴り止まなかった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:31% 作品を確認(amazon)
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手を叩く・拍手
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前後の文章を含んだ引用
......一生懸命に集中したって、この貧しい脳細胞から搾り取れるものは、たかが知れているし、それで数学者を喜ばせようなどと考えたのが、そもそも思い上りだったのだ……と。 その時不意に博士が立ち上がり、拍手をした。たとえフェルマーの定理を証明した人でさえ、これほどの称賛は受けられないだろうと思うような、力強く、温かい拍手だった。それは家中に響き渡り、いつまでも鳴り止まなかった。「すばらしい。なんて美しい式なんだ。すばらしいよ、ルート」 博士はルートを抱き締めた。博士の腕の中で、彼の身体はほとんど半分に押し潰されていた。「全くすばらしい......
単語の意味
拍手(はくしゅ)
拍手・・・両手の平を打ち合わせて、音を出すこと。神を拝んだり、賞賛や賛成の気持ちをあらわす行為。
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手を叩く・拍手の表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
大地がわざとらしく拍手をする。ぱち、ぱち、と汗ばんだてのひら同士が弾ける音が、たった二人しかいない空間の中で元気にぶつかり合う。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
誰かが拍手しはじめたのはそのときだった。それはあっという間にフロア全体に広がり、さらにさざ波のような歓声を伴って、しばらくの間、鳴り止む気配すら無かった。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
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「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
銀行からの逃走経路を下見していた。 一週間もの間、同じコースを何度も運転しつづけていた。 頭の中に、無数の注釈をつけた地図とタイムテーブルを作成する。そういう感覚だった。 交差点の場所や道路の平均的な混み具合、信号の変わる間隔、歩行者の量を頭に叩き込んでいく。どの経路でどの程度の速度で走れば、すべての信号を青で走りぬくことができるのか、それを調べていた。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
サユリは、これ以上、一緒にいられないと思い、ぷいと後ろを向くと、ハイヒールシューズの踵を気持良く鳴らしてコバヤシの許を去った。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
「満足を伝える」カテゴリからランダム5
「どれほど美しい薔薇とて、今宵のお嬢様の美しさの前では、色褪せて見えることでございましょう」
東川 篤哉 / 謎解きはディナーのあとで amazon
波奈が一歩後ろに下がると、拍手や歓声が、五人全員に向けられているような音に変わる。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
「感動」カテゴリからランダム5
その上に字が書けそうなくらいぽっかりとした白い息
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
両手を叩いてみる。ぱん、と乾いた音が鳴ってすぐに消える。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
ふう、とわざわざ声に出して肺の中身をすっかり出してしまうようなわざとらしいため息をついて
川上 未映子 / あなたたちの恋愛は瀕死「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
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