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闇 の中に聞えるのはただ地虫の長い 嗄れた声だけである。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:73% 作品を確認(amazon)
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夜のしじま(静けさ)
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前後の文章を含んだ引用
......ゃべりつづけた。あの表情にはなぜか、敗者の自己欺瞞とは思えぬような真実さが感じられたのである。 尿を終えた番人の跫音が中庭のほうでかすかに聞える。それが消えると闇の中に聞えるのはただ地虫の長い嗄れた声だけである。 司祭はもちろんフェレイラの言葉を否認できる布教の経験をひとつも持っていなかった。しかし彼はこれを否定しなければこの国に来た自分を全て失うのである。壁にこつこつ......
単語の意味
嗄れる(しゃがれる・しわがれる・かれる)
嗄れる・・・かすれる。声に潤いがなくカサカサしている。
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夜のしじま(静けさ)の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
僕たちが喋るのをやめると、それに合わせて街中の誰もが呼吸を止めるかのようだ。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
夜も死人のように静まりかえった
志賀 直哉 / 剃刀「志賀直哉小説選〈1〉」に収録 amazon
人通りのない朱雀 の大路 を、二人は静かに馬を進めて行った。兄も黙っていれば、弟も口をきかない。しんとした夜は、ただ馬蹄 の響きにこだまをかえして、二人の上の空には涼しい天の川がかかっている。
芥川龍之介 / 偸盗
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まだ昼の続きのなかにいて、空の果てでは厚い灰色のカーテンのような雲の裾がバラ色に染まっている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
夕陽がうるんだ赤い硝子球のように海に沈んでいく
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
さっきまで頭上で海面を輝かせていた太陽はすでに水平線まで遠のき、うっすらと赤みを帯びている。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
窓の風景から消えてゆく日影に限りない愛惜を持っていた。
梶井基次郎 / 冬の蠅
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