頭上でときおり電線が風になぶられて音を立てた。
吉田修一「悪人」に収録 ページ位置:27% 作品を確認(amazon)
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架線・電線
はためく・翻る
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前後の文章を含んだ引用
......片付けをした。片付けが済むと、あちこちの電気を消して回り、草履をつっかけて公民館へ出かけた。 風は冷たかったが、海は凪いでいた。港内に繋がれた漁船を月が照らし、頭上でときおり電線が風になぶられて音を立てた。 ぽつんぽつんと街灯の立つ岸壁に、やはり公民館へ向かっている岡崎のばあさんの姿が見え、房枝は足を速めた。 月明かりの小さな漁港の岸壁を、のんびりと歩いていく老婆......
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架線・電線の表現・描写・類語(外の設備・工作物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
空中に張られた架空線の網の目をみつめていた。透明な空気の中に拡がるその太い銅線の網にはところどころ結び目の黒いこぶがあって、気味の悪い触手を四方に拡げているかのように見える。
野間宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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はためく・翻るの表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
湿気を充分に含んだ風は裾前 をあおってぞくぞくと膚に逼 った。
有島武郎 / 或る女
大きい束髪に風を入れていた。
林芙美子 / 新版 放浪記
ふわふわとしたタンポポの種子のようにエア・コンディショナーの気持の良い風に吹かれながら
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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「風」カテゴリからランダム5
果実のようなふくらみを持った風
村上春樹 / めくらやなぎと眠る女 amazon
「状態・状況」カテゴリからランダム5
大口にぱくりと開けて
岡本かの子 / 金魚撩乱
季節の変わり目のように厳粛な事実
竹西 寛子 / ひとつとや amazon
「外の設備・工作物」カテゴリからランダム5
銀縁メガネのブリッジを中指で押さえたまま、殿村は頭を下げた。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
(浴場は)一つの出口がある切りで、その浴場に地下牢のような感じを与えるのに成功していた。
梶井基次郎 / 温泉
星くずのような遠い灯がかすかにまたたいている。
壺井 栄 / 二十四の瞳 amazon
他の住人と同じエレベーターに乗り合わせたとしても、もはや怯むことはない。まるでそこに他人などいないかのように、顔を上げている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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