古いうち特有の、 鰹節 の匂い
向田邦子 / 男眉「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 ページ位置:19% 作品を確認(amazon)
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古い建物の佇まい
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......である。鋏が一挺しかないのに、毛抜きが二つあるわけないじゃないか。 そう思い出すと急に魚臭い。気のせいか、母が妹を産んでから、うちの匂いが変ってきた。今までは、古いうち特有の、鰹節の匂いだけだったが、なまぬくいお櫃の蓋を取ったときのような、饐えた匂いがする。赤子のおむつのせいか乳の匂いなのか。麻は父の刻みたばこの匂いを嗅ぎたいと思ったが、父は当......
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(古マンション)風も通らず陽も当たらず、一年じゅう梅雨どきのように 暗鬱 な感じがするのは、自分が 徒 らに齢を食ったせいではあるまい。
浅田次郎 / ラブ・レター「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
寺町通りの村上開新堂の店構えのよさは、 「まったく、たまらない」 と、いいたくなってしまう。 これぞ、日本のよき時代の具現といってよい。
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
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夢野久作 / あやかしの鼓
古い学生寮だ。鉄筋コンクリート三階建ての質素なデザインで、決して大きくはない。くすんだ窓ガラスやカーテンの黄ばみやひびの入った外壁の様子から、その古さが伝わってくる。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
食堂を出て動坂 の講談社に行く。おんぼろぼろの板塀 のなかにひしめく人の群をみていると、妙にはいりそびれてしまう。講談社と云うところはのみの巣のようだと思う。文明も何もない。只、汚ないぼろぼろの長い板塀にかこまれている。
林芙美子 / 新版 放浪記
おやかたさんの家は、川から少し離れた高台に、山を背にして生えていた。まさに「生える」と言うにふさわしい、古くて重厚な日本家屋だ。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
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