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春の雲が西山の入陽をうけて、 茜色 に染まっている。
浅田次郎 / オリヲン座からの招待状「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 ページ位置:48% 作品を確認(amazon)
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夕日・西日
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前後の文章を含んだ引用
......ができるのも勝手ですからね。いや、これも東京では良くある話」「……そうかな」 と、良枝は笑顔を曇らせた。「そうでもないか……」 歩きながら、西陣の空を見上げた。春の雲が西山の入陽をうけて、茜色に染まっている。東京にこんな空はない。いや、見えぬのか、気付かぬのか。「ねえ、祐ちゃん。私、どうしたらいい」 二十何年ぶりかで故郷の風に触れ、すっかり感傷的になった。意地や見栄......
単語の意味
茜色(あかねいろ)
茜色・・・アカネ(植物)の根で染めた色。暗い赤色や、わずかに黄色い沈んだ赤色のこと。夕暮れの空の形容などに良く使われる。
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お日様が砕けた鏡のように樺の木の向こうに落ちる
宮沢 賢治 / 貝の火 amazon
西日が庭の木立を光と影に分けていた。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
夕陽はまるでうるんだ赤い 硝子 玉 のよう
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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夜明けだ、新しい空気が甘美な果汁のようにかれを蘇生させる。
大江 健三郎 / われらの時代 amazon
若草山が青空にくっきりと浮きあがって見え、うすく色づいた樹々がすっかりねむりからさめ、しだいに陽光があたたかくなってくる。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
やがて、ひしめき合う屋根や広告塔が夕闇に包まれるよりずっと早い時刻に、遠く近く次々と、人工の灯火が鈍く点りはじめる。立てた襟で耳まで覆って眺め続けていると、闇からも光からも仄白く遊離した陰のない風景が、冷気に潤んだ目のなかでかげろうのように揺れる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
もう太陽の光が残っていない公園の静けさに、笑い声はすっと吸い込まれていく。
瀬尾 まいこ「そして、バトンは渡された (文春文庫)」に収録 amazon
マンションの一部屋の明りが点いたり、消えたり、締め忘れた水飲み場の蛇口から水滴が落ちたり、K君の髪先が風にゆらめいたりするくらいしか、風景の中で動いているものはなかった。ひそやかな夜の息遣いが、聞こえてきそうだった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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