日本語表現インフォ：ピンとくる言葉や描写が見つかる辞典

30 分ばかりそこに横になって、少しだけうとうとと眠ったが、そのあいだビーチをおとずれる人間はひとりもいなかった。そのうちにぼくは不思議なくらいしんとした気持ちになってきた。その浜辺はひとりぼっちで訪れるにはあまりにも静かであり、あまりにも美しすぎた。そこにはある種の死に方を想い起こさせるものがあった。

村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録　ページ位置：59%　作品を確認（amazon）

この表現が分類されたカテゴリ

海岸・砂浜・波打ち際昼寝・居眠り・うたた寝

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前後の文章を含んだ引用

......ら浜辺に戻り、裸のままタオルの上に寝ころんで、真っ青な高い空を見上げた。海鳥が入り江の上空を旋回しながら魚の姿を求めていた。空にはひとかけらの雲も見あたらない。30分ばかりそこに横になって、少しだけうとうとと眠ったが、そのあいだビーチをおとずれる人間はひとりもいなかった。そのうちにぼくは不思議なくらいしんとした気持ちになってきた。その浜辺はひとりぼっちで訪れるにはあまりにも静かであり、あまりにも美しすぎた。そこにはある種の死に方を想い起こさせるものがあった。ぼくは服を着て、同じ山道を歩いてコテージに戻った。暑さは更に激しくなっていた。ぼくは機械的に足を運びながら、すみれがミュウと二人でその道を歩きながらどんなことを......

単語の意味

気疎い（けうとい）

気疎い・・・それ以上見聞きし続けるのは不快である。嫌な感じだ。不愉快。

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海岸・砂浜・波打ち際の表現・描写・類語（水面・水中・水辺のカテゴリ）の一覧ランダム５

真っ白い砂と青と激しい波のコントラストが美しかった。

よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録　amazon

甲羅干（こうらぼし）の風をしながら水着のまま並んで砂の上に寝（ね）そべった。

岡本かの子 / 渾沌未分関連カテ海岸・砂浜・波打ち際体を横たえる

あたりには人影もなく、鳥一羽、蝿一匹見当たらぬ。こんなところで波はいったいだれのために吠えたけっているのか、だれがその声を夜毎にきくのか、波は何を求めているのか、さらにまた、私の去ったあと、波はだれのために吠えつづけるのだろうか――《…略…》この海岸に立つと、思想ではなく、もの思いのとりこになる。そら恐ろしい、が同時に、限りなくここに立ちつくし、波の単調な動きを眺め、すさまじい吠え声をきいていたい気もしてくる。

村上春樹 / 1Q84 BOOK 1　amazon関連カテ海岸・砂浜・波打ち際時化・海が荒れる、波立つ波の音・潮騒

（砂浜）雪のようなパウダーサンド