(燃え上がる空母)世の中にこれほどの炎があるのかと思われるほどの巨大な火の海に包まれていました。その勢いは凄まじく、百メートル以上離れてもその熱波を感じました。 しかし「赤城」は沈みませんでした。魚雷攻撃を受けたわけではなく、爆弾ですから、艦自体は燃え上がっていますが、沈むことはありません。だがそれはかえって断末魔の苦しみが長引く地獄のように見えました。
百田尚樹「永遠の0」に収録 ページ位置:19% 作品を確認(amazon)
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戦場・戦争
火事
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前後の文章を含んだ引用
......くして駆逐艦のカッターが近づき、我々を救助に来ました。 我々もカッターに乗り込み、「赤城」を後にしました。私はカッターから後ろを振り返って「赤城」を眺めました。世の中にこれほどの炎があるのかと思われるほどの巨大な火の海に包まれていました。その勢いは凄まじく、百メートル以上離れてもその熱波を感じました。 しかし「赤城」は沈みませんでした。魚雷攻撃を受けたわけではなく、爆弾ですから、艦自体は燃え上がっていますが、沈むことはありません。だがそれはかえって断末魔の苦しみが長引く地獄のように見えました。鉄が真っ赤になり、どろどろと溶けています。黒煙はもう上空一キロメートルにも達していました。 見ると、同じような黒煙が二つ昇っていました。全部で三隻の空母がやられ......
単語の意味
自体(じたい)
自体・・・1.自分のからだ。
2.そのものの本来の性質。それ自身。そのもの。地体(じたい)。多くの場合、名詞の下につく。
2.そのものの本来の性質。それ自身。そのもの。地体(じたい)。多くの場合、名詞の下につく。
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望楼のようなトーチカ
火野 葦平 / 麦と兵隊 amazon
空襲のサイレンが深夜の空に不気味に鳴り響く
林 芙美子 / 晩菊・水仙・白鷺 amazon
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火事の炎が暗い夜空を一様の血の色に焦がし、煙と火の子が渦を巻きながら奔騰する
海音寺 潮五郎 / 武道伝来記 amazon
木造の図書室が焼けたんだから、それはそれは物凄い火事だったらしいわね。火花の中を、無数の紙切れが赤い蝶々みたいにゆらゆら舞ってたんですって。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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艦砲射撃と爆撃で鉄の雨を降らせる
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
(世界の終わり)時間がぴたりと止まり、世界はそこで終結した。地球はゆっくりと回転を止め、すべての音と光が消滅した。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
うねって来る色テープの浪。繽紛 と散る雪紙の中で、
岡本かの子 / 母子叙情
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部落にかけられた火は一角だけではなく、周りの藁屋根に燃えうつり、赤黒い炎が靄のなかで、まるで生きもののように動いていました。それなのにひどく静かでした。まるで部落とそこに住む百姓たちが、黙々とこの苦しみを受けいれているかのようでした。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
体内の膿でも出たように事件が連続して起こる
遠藤 周作 / 何でもない話 amazon
「火・煙・灰」カテゴリからランダム5
立ちのぼる一筋の煙を見つめていた。それは途中まで真っ直ぐ天を目指し、上空の風の道に沿って棚引いていた。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
焼け跡から吹きつけてくるザラザラした異様な風は、まるで不快な固物の撫で回すような感触を持っていた。
井上 友一郎 / ハイネの月「日本の文学 64 井上友一郎」に収録 amazon
手紙がめらめらと燃えあがって、小さい悪魔のなきがらのように、黒くちぢこまる
山本 有三 / 波 amazon
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