(死んだママが残した日記)ママの字を見ると、時空がゆがんで、私はママの世界へと入っていくことができた。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 ページ位置:30% 作品を確認(amazon)
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......できゅんとするのだ。 夜中に時差ぼけで起きてしまい、すうすう寝ているあざみさんの口元のよだれを愛おしく眺めながら、私は小さくライトをつけてママの言葉を読んだ。 ママの字を見ると、時空がゆがんで、私はママの世界へと入っていくことができた。ハワイの夜の闇の中にはいろいろなものがうごめいている。あと一時間で朝は突然気配を表し、それにいち早く気づいた鳥たちがうるさいほどに鳴き始めるだろう。「タートルベ......
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このまま、なお持っていると、病気にでも取ッつかれそうな気がしていた簪
吉川英治 / 無宿人国記
一冊の古びたペーパーバック「N・P」と、バインダーと、ロレックスのずっしり重い時計。 これらが、庄司の形見だった。 彼は4年も前に睡眠薬自殺をしたのだ。そしてこれらを手にしたときから、いつも私の心のどこかにこの品々があった。 たとえば昼間、私が働いている大学の研究室で。ふと耳をすますと遠くでサイレンの音が町を駆けてゆくのが聞こえたりするとき、うちの近くかな、と思う、そんなとき必ずこれらが心に浮かぶ。それ位、重い品々だ。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
(形見のママの日記)それは私の宝物だ。ママの日記、ママの面影。私とママをつないでいるタイムトンネル。そこでだけママに会えるとても哀しい部屋。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
兄の紀念 とかいう二十年来着古 るした結城紬 の綿入
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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鉋をかけると粗い材木がくるくると渦巻き状の屑を吐いて、白木の柱に変わる。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
うすら寒い秋の風が蚊帳の裾を吹いた。
林芙美子 / 新版 放浪記
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死が足元から忍び寄ってくる
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
布団のように切り裂いた死体を縫った。
遠藤 周作 / 海と毒薬 amazon
自殺は、まるで簡単な事務のように、毎日、新聞の片隅でなし遂げられてゆくのでした。
大原 富枝 / ストマイつんぼ (1957年) amazon
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