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背中が声もなく波打った。
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:7% 作品を確認(青空文庫)
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泣く・涙を流す
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前後の文章を含んだ引用
......う瞳 の据 え方だった。やがて真佐子の顔の痙攣 が激 しくなって月の出のように真珠色 の涙が下瞼 から湧いた。真佐子は袂 を顔へ当てて、くるりとうしろを向く。歳 にしては大柄 な背中が声もなく波打った。復一は身体中に熱く籠 っている少年期の性の不如意 が一度に吸い散らされた感じがした。代って舌鼓 うちたいほどの甘 い哀愁 が復一の胸を充 した。復一はそれ以上の意志もないの......
単語の意味
背中(せなか)
背中・・・背の中央。背骨のあたり。動物の胴体の背骨のある側。胸や腹と反対の面で、両肩の間から腰のあたりまでの部分。背(せ)。背面。
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泣く・涙を流すの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
私たちは山本さんの細く固い体に顔を埋めてしばらく泣きじゃくった。ここでなら泣いてもいいと言わんばかりにがつがつして、しぼりつくすみたいに泣いた。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
(目を閉じた状態で泣けてくる)洋子は、閉じ合わされた瞼の隙間に涙が満ちてゆくのを感じ、眉間を震わせながらそれを堪えた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
涙は巻紙の上にとめどなく落ちて字をにじました。
有島武郎 / 或る女
まどかは叩かれた足を手で押さえていた。眼の周りを涙で濡らし、口を歪めて泣いていた。ヒステリックな状態から、何かを我慢するような、あるいは怯えているような泣き方に転じていた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
「ほんとだよっおっ」 体がびくんと跳ねるタイミングで、声も跳ねてしまっている。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
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船の中に猿 のように飛び込んで行く。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
床に手が届くくらい馬鹿叮嚀なお辞儀
夢野久作 / ドグラ・マグラ
ありありと眼に映るように描写する
夏目 漱石 / 『土』に就て 長塚節著『土』序 amazon
私の肩に掴 った。その掴り方は、彼女の指先が私の肩の肉に食い込んで痛いくらいだった。
岡本かの子 / 河明り
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不覚の涙が白粉の砂漠に肉色の流れをつくる
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
貞世はその膝 に突っ伏してすすり上げすすり上げ可憐 な背中に波を打たした。
有島武郎 / 或る女
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