末遠いパノラマのなかで、花火は星水母 ほどのさやけさに光っては消えた。
梶井基次郎 / 城のある町にて ページ位置:25% 作品を確認(青空文庫)
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打ち上げ花火
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前後の文章を含んだ引用
......が来た。これも食後の涼みらしかった。峻に気を兼ねてか静かに話をしている。 口で教えるのにも気がひけたので、彼はわざと花火のあがる方を熱心なふりをして見ていた。 末遠いパノラマのなかで、花火は星水母 ほどのさやけさに光っては消えた。海は暮れかけていたが、その方はまだ明るみが残っていた。 しばらくすると少年達もそれに気がついた。彼は心の中で喜んだ。 「四十九」 「ああ。四十九」 そんなことを言い......
単語の意味
清けさ・明けさ(さやけさ)
パノラマ(ぱのらま)
清けさ・明けさ・・・鮮やかさ。はっきりしているさま。
パノラマ・・・目の届く範囲のすべてに広がった風景。
英語で[panorama]と表記し、「全景」「広々とした眺め」を意味する。
英語で[panorama]と表記し、「全景」「広々とした眺め」を意味する。
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打ち上げ花火の表現・描写・類語(夏のカテゴリ)の一覧 ランダム5
舞台とは反対の方面で、しきりに花火を揚げる。花火の中から風船が出た。帝国万歳とかいてある。天主の松の上をふわふわ飛んで営所のなかへ落ちた。次にぽんと音がして、黒い団子が、しゅっと秋の空を射抜くように上がると、それがおれの頭の上で、ぽかりと割れて、青い煙が傘の骨のように開いてだらだらと空中に流れ込んだ。風船がまた上がった。
夏目 漱石 / 坊っちゃん amazon
花火にこと寄せて、人に気づかれぬように肩を抱く
曽野 綾子 / 夫婦の情景 amazon
(遠くに見える花火は)どんな手品師も敵 わないような立派な手品だったような気がした。
梶井基次郎 / 城のある町にて
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「夏」カテゴリからランダム5
人のいないグランドは草の匂いがした。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
桐の木の真青な葉が、真夏の光りにヒラヒラと輝いている。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
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光の衰えた空に、鼠色の膜をかぶった臓物のような雲が低く垂れこめる
倉橋 由美子 / 倉橋由美子の怪奇掌篇 amazon
夕焼けの雲が川面にうつって、古い木版画でも見るような美しさだ
安岡 章太郎 / 夕陽の河岸 amazon
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