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何千匹の鱶 のように、白い歯をむいてくる波
小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:13% 作品を確認(青空文庫)
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波
時化・海が荒れる、波立つ
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前後の文章を含んだ引用
......、間を置いてヒュウ、ヒュウと聞えた。が、次の瞬間、こっちがアプ、アプでもするように、谷底に転落して行った。 蟹工船には川崎船を八隻のせていた。船員も漁夫もそれを何千匹の鱶 のように、白い歯をむいてくる波にもぎ取られないように、縛りつけるために、自分等の命を「安々」と賭 けなければならなかった。――「貴様等の一人、二人が何んだ。川崎一艘 取られてみろ、たまったもんで......
単語の意味
鱶(ふか)
鱶・・・鮫(さめ)の関西での地方名。関東などでは特に大形のものを指す。多くの鮫が体内で子供を育てる習性(卵胎生、らんたいせい)があるため「鱶」の字に「養」が含まれるとされる。高級食材であるフカヒレの「ふか」はここから来ている。
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恐ろしい勢いで二人の巨人のような大浪が、もつれ合い、撓み合って
前田河広一郎 / 三等船室「現代日本文学大系 (59)」に収録 amazon
わずかに立つ波は雲のようにも見え、海ではなくて真っ青の空と見立てることもできた。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
白い牙のような波の歯をむきだしている冷たい海
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
白く 尖っては巻き込まれていく波の様子
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
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時化・海が荒れる、波立つの表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
海上に無数の棘のような白浪が立つ
森 瑶子 / 風物語 (角川文庫 amazon
浪は浪を呑み、捲き、煽 り立て
太宰治 / 走れメロス
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湖が酷薄な女の目のように冷たそうに青く光る
原田康子 / 挽歌 amazon
池が夕陽の加減で、水銀のように縁だけ盛り上がって光る
岡本 かの子 / 過去世 amazon
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白い猫がいっぱいかけまわっているみたいに、海一面が白く波立つ
松谷 みよ子 / オバケちゃん amazon
世界が消え失せるばかりの大地震、大噴火、大海嘯 が四方八方から渦巻き起る。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
風がマストに当ると不吉に鳴った。
小林多喜二 / 蟹工船
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