妙な困惑を感じる

愚図る

ちくちくする

ふと暗い気持ちにはまり込む

憎む心がくらげのように軟化する

頭を悩ませる

我慢ならない

すっかり憂鬱になる

悲観する

嫌悪感

顰み

尻がむず痒いような居心地の悪さ

不快感がふつふつと沸き立ってくる。

重ね重ね不愉快になる

眉を曇らす

苦痛

初江はリビングルームの気まずさを避けるように声と同時に腰をあげ、一歩二歩とベッドのほうへ歩み始めた。

気まずそうな顔をする

「……そーいえば」 　何か話さなきゃ、と思うと、あごにおかしな力が加わってしまい、くわえていたポッキーが折れた。

気まずい感情が起こる

ある日、何かが僕たちの心を捉える。《…略…》二日か三日ばかり、その何かは僕たちの心を彷徨い、そしてもとの場所に戻っていく。……暗闇。僕たちの心には幾つもの井戸が掘られている。そしてその井戸の上を鳥がよぎる。

心に嫉妬がうごめく

一晩中うねる大波に揉まれていたような心身の疲労を極度に感じた。

あらわな敵意をまるで心が滝に打たれたかのように感じ取っていた。

エンジンの音が消え、エアコンの風音が消えると、車内には居心地の悪い静寂が訪れた。

溜め息が出た。零れた溜め息がさらに自分の能力のなさを実感させる。吐いた息が地面に積もるのであれば、豊田の身体はとっくに埋まっている。窒息死だ。

褌（ふんどし）のようにバカ長い嘆息を洩らさざるを得なかった。

深夜の便器のような長嘆息

知らぬうちに零した溜め息が足元に積もっているように感じ、足が抜けなくなるのではと不安を覚える。

憎む心がくらげのように軟化する

私は生まれついてのお姫様。しがないアヒルの群れの中で育った白鳥。

眉を顰めるような気持ち

こうして離れていてふと、私の知っている彼のいいところを思うと、あまりのすばらしさに胸が苦しくなる。その文章の才、礼儀正しさ、行動の大胆さ、おおらかさ、手の形、声の響き……等。 　そして悪いところやずるいところを考えると、あまりの憎しみに息が苦しくなる。私を旅に誘ったりする弱さ、妹の死に対するある種の冷酷さ、ろくに日本に帰らないくせに、来るとなると会いたがるずるさ……等。 　ほかの人にはこんなに感じないひとつひとつの感覚が活性化される。その振幅がそのままその人を思う心のベクトルの大きさだ。人間は苦しい。不完全なひとりが、不完全なひとりを思い丸ごとを受け入れようと苦しむ様は、なぜかそれぞれ胸のうちの 嵐 とは別のところで、ときどき妙に生き生きとしたあるひとつの像を結ぶ。 　人間がかろうじて日々を生きているわけみたいなもの。 　いちめんに咲いた桜並木みたいに大盤振る舞いの美しくやさしいエネルギー。 　たださらさらと花びらが散り、陽がさして風が吹き、はるか続く木々がいっせいに揺れて舞い狂うピンクとすきまの青空の甘い色に圧倒されて立ちつくす。知っている。一度しかなく、一瞬で終わる。でも自分がその一部に永遠に溶け込んでいる。ワンダフル、ブラボー！　そういう瞬間を、人は苦しんでも求める。

（電話相手が疲れている）時差はどれくらい？　とか調子はどう？　とか聞いても答えが全くない。ただ、 「うん、とにかく帰るわ。」 　と言うだけだった。私は時報や天気予報と話しているような気がしてしまって

ひどい疲労から小石のように眠りに落ちた。