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ビルの直線と空の接線が、さっきから比べると少しずつぼやけてきている。空は街に触れている部分から陰り始める。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:69% 作品を確認(amazon)
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夕方
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前後の文章を含んだ引用
......。「はい。」 片方の缶を投げてよこす。心地よい重さが掌で揺れる。二人は並んでガードレールにもたれる。硬くてひんやりした感触が足を伝う。彼は缶ビールを飲んでいる。ビルの直線と空の接線が、さっきから比べると少しずつぼやけてきている。空は街に触れている部分から陰り始める。一口野菜ジュースを飲む。舌の表面にざらざらした野菜の繊維が残る。「また新しい詩を書いたよ。」 彼は湿った舌で喋る。「今度はどんな感じ?」 信号が変って、車の列が......
単語の意味
陰り・翳り(かげり)
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朱を流しながら灼熱の太陽をどっぷりと飲み込んでいく海
宮尾 登美子 / 楊梅(やまもも)の熟れる頃 amazon
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夜明けの青の中でなにもかもがこんなに浄化されて見える
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
人々の往来を見よう。今夜は無人だった町の生き返る繰り返しのありさまを。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
季節らしさのこもった夕暮なり。
林芙美子 / 新版 放浪記
夕方の気配が、街にしのびよってきていた。陽にはかすかにオレンジが混じり、西の雲は明るく光りはじめた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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