野球部がひとかたまりになってランニングしていた。《…略…》紺色のアンダーシャツと白いユニフォームが、規則正しく上下に揺れていた。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置：86% 作品を確認（amazon）
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前後の文章を含んだ引用
......歩いていた。夕暮れが校庭に舞い降りるのと同じ速度で、二人の背中が小さくなっていった。わたしは窓に近寄り、ガラスに顔を押し当てた。頬がひんやりした。彼らの後ろを、野球部がひとかたまりになってランニングしていた。みんな帽子のひさしで表情を隠し、視線を足元に落としていた。紺色のアンダーシャツと白いユニフォームが、規則正しく上下に揺れていた。荒い息遣いとスパイクが砂を蹴る音が混じり合って、二人の背中を覆い隠そうとしていた。わたしは何度もまばたきして、二人をもっとよく見ようとした。まつげがガラスを撫で......
単語の意味
紺色（こん）
紺色・・・濃い藍色。青と紫の中間の色。
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