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コンサート会場は、音楽以前にまず、静寂をこそ壁で囲い込んで守る場所である。それは、この社会の、いや、自然界にさえどこにも存在しない、静寂の避難場所である。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 ページ位置:8% 作品を確認(amazon)
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静けさ・静寂 コンサート会場
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前後の文章を含んだ引用
......で、〝天才〟という評判に誘われて来たと、わざわざ意味ありげに告げて帰る者もあった。 芥川の言う「静寂の美への対決」とは、ひとつに、舞台に立つ人間の感覚だった。 コンサート会場は、音楽以前にまず、静寂をこそ壁で囲い込んで守る場所である。それは、この社会の、いや、自然界にさえどこにも存在しない、静寂の避難場所である。 蒔野自身、昨年は八十六回もその「静寂の美」と対峙していた。彼はそれを、刃物の冴えを確かめるように感じ取り、最初の一音のために、その冷たい先端がそっと胸に触れる......
単語の意味
静寂(せいじゃく)
静寂・・・物音一つなく静まり返っていること。ひっそりとして寂しさのあること。また。そのさま。「寂」は訓読みで「しず(か)」とも読める。
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静けさ・静寂の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
時間が沈黙の中を流れていった。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon関連カテ静けさ・静寂黙る・沈黙
森の奥に隠れる湖のように、透明な沈黙だった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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コンサート会場の表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
洋子がホールに到着した時には、既に客席の人の潮は満ちつつあった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
(ギターコンサート)《黒いデカメロン》の一曲目〈戦士のハープ〉が、緊迫した、ほとんど魔術的なほどに広大な二オクターヴの跳躍で始まると、会場はもう、つい今し方までとは別の空間になっていた。反復的な旋律が次第に空気を濃くしてゆく中で、ギターの長音が、会場の最も遠いところにまで何にも遮られることなく、真っ直ぐに伸びてゆく。この曲をよく知っている者、知らない者が、それぞれに、その 縹渺 たる響きに驚いた。  それがまるで一つの予告であったかのように、蒔野はその後、一曲ごとに、とても同じ一本のギターで弾いているとは思えないほどの多彩な表現で、次々と、新鮮な音楽的風景を現出させていった。  かつての一分の隙もない、あまりに完璧に律せられた世界とも違って、今はむしろ、音楽そのものに少し自由に踊らせて、それを見守りつつ、勘所で一気に高みへと導くような手並みの鮮やかさがあった。それもまた、長い〝スランプ〟の果てに、彼に生じた一つの変化だった。  聴衆の感嘆は、楽曲が終わる度に拍手に熱を加えていった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon関連カテ演奏する・楽器を鳴らすギター・バイオリン・弦楽器コンサート会場
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(裁判官)黒い法衣をまとった姿は、厳格な学者然としている。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
手を上げてウェイターを呼び、スコッチのおかわりを頼んだ。
村上春樹 / 象の消滅「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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