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前後の文章を含んだ引用

......でくる。外なのに息が苦しくて、見回すと、白くて清潔な世界が広がっている。私たちはこの清潔な街に閉じ込められているんだ。そんな気がした。　工事の音が消えた街から、夜になると光がなくなる。　この街は、驚くほど従順に、夜に飲み込まれていく。街灯も住宅から漏れる光もまばらだ。田舎の夜と違って、動物や植物の強い息遣いがすることもない、清潔な暗闇が、街を覆う。　私たちは白い世界と黒い世界を行ったり来たりしながら毎日を過ごしていた。　学校を終えて習字に行き、できあがった作品を先生に渡してテーブルの片付けが始まったころ、足音がして、伊吹が駆け込んできた。「あー惜しい！　先生、もう終わっちゃっ......

単語の意味

息遣い・息使い（いきづかい）

暗闇（くらやみ）

息遣い・息使い・・・息の使い方。息を吸ったり吐いたりするようす。呼吸の調子。

暗闇・・・１．暗い闇。光がなくて見えない状態。また、そういう場所。
２．人目につかない場所。人の知らない場所。
３．１が転じて、希望がもてないこと。見通しが立たず将来に不安を感じている状態。