(フラダンサー)踊りが終わったら、マサコさんは感情でいっぱいの、日常を生きている人間に戻ってしまうが、今は時を超えて存在している永遠の命、踊りの精なのだ。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 ページ位置:56% 作品を確認(amazon)
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フラダンス
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前後の文章を含んだ引用
......たちのぼってきて私を泣かせたようだ。 マサコさんの家のほこりっぽい床の上に私の涙が落ちていった。それでも私は目が離せなくて、時間が過ぎて行くのを惜しいと感じた。踊りが終わったら、マサコさんは感情でいっぱいの、日常を生きている人間に戻ってしまうが、今は時を超えて存在している永遠の命、踊りの精なのだ。 だれのために泣いているのか私はわからなかった。 でも会えなくなってしまった人たちのためになのだ、ということはわかった。 会えないことにはふだん気づかないけれど......
単語の意味
永遠(えいえん・とわ)
永遠・・・ある状態が果てしなく続くこと。物事が変化しないこと。無窮(むきゅう)。永久(えいきゅう)。
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フラダンスの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
ほんとうのフラは腰がふらふらすることもなく、上半身がくねくねすることもない。ただ風が吹いていっただけという感じだ。セクシーになりすぎることもない。木になっているマンゴーが丸くて官能的だというような、花が咲いていていい匂いがしてちょっとふらっとするような、淡いセクシーさなのだ。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
(フラダンサーは)病室でも踊っていた。最後の日のパパはそれをうっとりと見ていた。天女を見るみたいな目で。
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あざみさんが踊りだすとまわりの空気も表情も切り替わるので、私もいつもながらはっとした。あざみさんが動くごとにたくさんの花が見えるようだった。香りもしてくるし、その量も形もめくるめく勢いとそして不思議なゆるやかさで伝わってくる。 その裸足の足は床をなでるように動いてゆく。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
(フラダンス)複雑なステップを踏んで、ゆっくりと回転し、パウスカートのすそがひらっと空間をなでた。風の吹くような優雅さであざみさんは手を右から左へと波打たせていた。
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(フラダンサー)踊りが終わったら、マサコさんは感情でいっぱいの、日常を生きている人間に戻ってしまうが、今は時を超えて存在している永遠の命、踊りの精なのだ。
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「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
一日に何度も手を洗っていると、そのうち手をキレイにしているというよりも、手を良い匂いにしているだけなんじゃないかと思えてくる。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
「おまえが軽率なんだ。ボタンがあれば押すし、紐が垂れてれば引っ張る。メールがくれば何でもかんでも開いて、ウィルス感染だ」
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
「ああ、わかる。」 本当にぴったりきたので私はうなずいた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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