(フラダンサーは)病室でも踊っていた。最後の日のパパはそれをうっとりと見ていた。天女を見るみたいな目で。
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フラダンス
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前後の文章を含んだ引用
......ざみさんは一度も弱くなることも、精神的に不安定になることもなかった。 病室で窓の外を見ているときだけ、遠いきれいな空に飛んで行きたそうにしていたけれど。 そして病室でも踊っていた。最後の日のパパはそれをうっとりと見ていた。天女を見るみたいな目で。パパは死ぬとき、きっと時間がなくってごはんの途中でレストランを出る人みたいな気分だっただろうと思う。 それは、あんなにつらい時間だったのにこんなに美しい思い出に......
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フラダンスの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
ほんとうのフラは腰がふらふらすることもなく、上半身がくねくねすることもない。ただ風が吹いていっただけという感じだ。セクシーになりすぎることもない。木になっているマンゴーが丸くて官能的だというような、花が咲いていていい匂いがしてちょっとふらっとするような、淡いセクシーさなのだ。
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あざみさんが踊りだすとまわりの空気も表情も切り替わるので、私もいつもながらはっとした。あざみさんが動くごとにたくさんの花が見えるようだった。香りもしてくるし、その量も形もめくるめく勢いとそして不思議なゆるやかさで伝わってくる。 その裸足の足は床をなでるように動いてゆく。
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(フラダンス)複雑なステップを踏んで、ゆっくりと回転し、パウスカートのすそがひらっと空間をなでた。風の吹くような優雅さであざみさんは手を右から左へと波打たせていた。
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(フラダンサー)踊りが終わったら、マサコさんは感情でいっぱいの、日常を生きている人間に戻ってしまうが、今は時を超えて存在している永遠の命、踊りの精なのだ。
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その瞬間、天井から糸で釣り上げられたように、ふわりと草子は立上った。
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美しいものを美しく画く式の凡庸なタッチ
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