東の夜空に花火があがった。初めに幾つかの大輪が咲いて、もうそれっきりかと思ったころ、こんどは赤や青のしだれ柳が、ひゅうひゅうと音をたてて散っていった。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 ページ位置:80% 作品を確認(amazon)
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打ち上げ花火
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前後の文章を含んだ引用
......った。風の加減で、祭り囃子の音がにわかに大きく聞こえたりすると、二人は申し合わせたように立ち停まって、無言で互いの顔を窺い合った。 やっと湊橋に辿り着いたとき、東の夜空に花火があがった。初めに幾つかの大輪が咲いて、もうそれっきりかと思ったころ、こんどは赤や青のしだれ柳が、ひゅうひゅうと音をたてて散っていった。 信雄も喜一も湊橋の欄干に馬乗りになって、いつまでも花火を見つめた。川風がここちよかった。満潮はその盛りを終え、膨らんだ川面が目に見えぬ速度でしぼんでいた。信雄......
単語の意味
夜空(よぞら)
夜空・・・夜の空。
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打ち上げ花火の表現・描写・類語(夏のカテゴリ)の一覧 ランダム5
つぎつぎと、絶えることなく花火が上がる。不況にあえぐこの街は、年に一度の夏祭りに、かなりの予算を使う。半分自棄のように、花火を打ち上げるのだ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
薄明りの平野のなかへ、星水母 ほどに光っては消える遠い市の花火。海と雲と平野のパノラマがいかにも美しいものに思えた。
梶井基次郎 / 城のある町にて
吉川英治 / 銀河まつり
(遠くに見える花火は)どんな手品師も敵 わないような立派な手品だったような気がした。
梶井基次郎 / 城のある町にて
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「夏」カテゴリからランダム5
初夏の明るい陽射しも消し尽せぬ人間の憂愁の数々に思われる。
岡本かの子 / 東海道五十三次
庇(ひさし)の間から見える無数の星までも蒸されるように暑い
山崎 豊子 / 暖簾 amazon
蛍の火は幽霊じみて見えないでもない
川端 康成 / 千羽鶴 amazon
「空・中空」カテゴリからランダム5
月の光に重さを感じるほど満身に月光を浴びる
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
月がオレンジのように黄色い
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
燃えるような青空
有島武郎 / 或る女
入道雲が空を侵食するように埋め尽くしていた正午前
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
どウンと一つ音がして、あっと思や、消えっちまう
吉川英治 / 銀河まつり
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