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自分以外の人間と二人きりで、区切られた空間に長い時間閉じ篭もっているのに、どうしてこんなにも安らかに無口でいられるのか少し不思議だった。お互いの息遣いや鼓動やそんな身体から出る波長がぴったり重なり合っているようで、余計なことを何も考える必要がなかった。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:65% 作品を確認(amazon)
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恋愛・恋する・恋心
居心地がいい・過ごしやすい雰囲気
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前後の文章を含んだ引用
......でいることが少しも苦痛にならなかった。何時間でもわたしは、何もしないでいることができた。病室の完璧な清らかさを味わいながら、弟を見ているだけでうれしくなった。 自分以外の人間と二人きりで、区切られた空間に長い時間閉じ篭もっているのに、どうしてこんなにも安らかに無口でいられるのか少し不思議だった。お互いの息遣いや鼓動やそんな身体から出る波長がぴったり重なり合っているようで、余計なことを何も考える必要がなかった。夫と二人で午前三時の食卓に坐っている時、わたしはいろいろと余計なことを考えてしまう。ビニール手袋の上に広がる液体のことや、口の中を這い回る蟻のことなどを考えてし......
単語の意味
身体(しんたい)
息遣い・息使い(いきづかい)
身体・・・人のからだ。肉体。
息遣い・息使い・・・息の使い方。息を吸ったり吐いたりするようす。呼吸の調子。
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恋愛・恋する・恋心の表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(恋人に対する恋しい気持ちは)時としてわたしを少女のような気分にさせ、こんな気分が終わることはあり得ない、これはきっと、死ぬまで一生続くのだ、と思わせて、よりいっそう、わたしは少女に戻っていくのだった。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
心が責めて責めて責めぬかれるような恋愛の残虐な力
有島武郎 / 或る女
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居心地がいい・過ごしやすい雰囲気の表現・描写・類語(雰囲気・空気のカテゴリ)の一覧 ランダム5
四人でごはんを食べていると、じわっとしたなんとも言えないくつろぎを感じた。家族的な雰囲気と、自分がここにいるのがしみじみと求められていて居心地がいい感じだった。
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
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その日の夕食のメニューにとってつけたように加わった野菜サラダの味を私は一生忘れられないと思う。重い味だった。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
長らく人が立ち入っていない蔵のような陰鬱で黴(かび)臭い空気
七尾 与史 / 死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) amazon
ピリピリした空気が充満した実験室
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
「恋愛」カテゴリからランダム5
その時わたしは、自分がどれほど野呂という男を愛し、欲しがり、自分だけを見ていてほしいと願っていたか、はっきりと知った。認めた。 理由などどうでもいい。彼はわたしの人生そのものだったのだ。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
その晩半沢は軀のほうが思うようにならなかった。
向田邦子 / 三枚肉「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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