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周囲の住宅は少しずつ疎らになっていって、やがて木立に囲まれた未舗装の山道に入った。
平野啓一郎「ある男」に収録 ページ位置:92% 作品を確認(amazon)
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田舎(いなか)
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......いうのは、「登記簿を見る」の間違いだろうと思ったが、敢えて口にはしなかった。それよりも、原誠は生前、伊東とこんな話もしたのだろうかということの方が気になった。 周囲の住宅は少しずつ疎らになっていって、やがて木立に囲まれた未舗装の山道に入った。「ちょっと揺れますよ。……さっき通ってきた辺りの民家、ああいうのは大体、昔ながらの林家ですよ。」「そうですか。」 山だから、ということでもないだろうが、雨が強く......
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