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雨が静かに降りはじめた。雨は小屋の裏手にある雑木林に砂のような音をたてた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:60% 作品を確認(amazon)
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雨の音
小雨・静かな雨・春の雨
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前後の文章を含んだ引用
......えた草履をゆっくりとはき、筑後守はもうこちらをふり向きもせず、夕闇のおちた中庭に去っていった。小屋の戸口に蚊柱がたっている。馬がいななく声が外できこえた。 夜、雨が静かに降りはじめた。雨は小屋の裏手にある雑木林に砂のような音をたてた。 司祭は固い床に頭を押しつけて、この雨の音を聞きながら、自分と同じように裁きを受けた日のあの人のことを考えた。瘦せこけたあの人が、すりむけた顔を強張らせながら人......
単語の意味
雑木(ぞうき)
砂(すな)
雑木・・・いろいろな木々。炭や薪にする以外使えない木の総称。
砂・・・岩石が細かくなったもの。岩が徹底的に砕かれたもので有機物が含まれていない。そのため、土(有機物が含まれる)と違って、植物は育ちにくい。砂場や砂漠に雑草が生えにくいのもこのため。
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こもるともなき雨の音が、部屋の内にこもっている
池波 正太郎 / 剣客商売 amazon
雨の傘に落ちる音が、遠くの海を渡っていく女たちの啜(すす)り泣きのように耳に届く
高橋 三千綱 / 涙 amazon
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パラッと降って来たと思うとやみ、またパラッと降るというような、貧乏くさい降り方
椎名 麟三 / 美しい女 amazon
生毛のように柔く短く截れて降る春雨
岡本 かの子 / 花は勁し amazon
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無人の会場に、丸裸のA音が放たれ、壁の内側でやがて完全に消失する。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
地面の底から聞こえてくるようないやな音
長崎 源之助 / ゲンのいた谷 amazon
東堂の声が、右から吹く秋風に絡まるようにして、座っている僕たちを撫でるようだった。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
入り江の細波が岩浜の縁を洗う音
三浦哲郎 / 愛しい女 amazon
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まるで草箒で雨戸を掃くように、ザッ、ザッと吹降りの音がした。
獅子 文六 / 胡椒息子「胡椒息子 (1953年) (角川文庫〈第668〉)」に収録 amazon
傘をうつ雨の音が、遠くの地鳴りのよう
宮本 輝 / 星々の悲しみ amazon
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