樅の木立ちにかこまれた陰気な平屋建て
夢野久作 / あやかしの鼓 ページ位置:41% 作品を確認(青空文庫)
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家の佇まい・外観
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前後の文章を含んだ引用
......ほおばの足駄といういでたちでお菓子らしい包みを平らに抱えながら高林家のカブキ門を出た。 麻布笄町の神道本局の桜が曇った空の下にチラリと白くなっていた。その向うに樅の木立ちにかこまれた陰気な平屋建てがある。セメントの高土塀にも檜 作りの玄関にも表札らしいものが見えず、軒燈の丸い磨硝子 にも何とも書いてない。この家 だと思いながら私は前の溝川に架かった一間ばかりの......
単語の意味
陰気(いんき)
陰気・・・気分や天気などが、スッキリしない。明るくなく、ドンヨリしている。⇔陽気。
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見るからに奇妙な家だった。感じが悪いわけでも寒々しいわけでもなく、とくに変った建てかたをしてあるわけでもなく、どうしようもないほど古びているわけでもない。ただ──奇妙だった。それはうまく感情表現できないまま年老いてしまった巨大な生き物のように見えた。どう表現すればいいのかではなく、何を表現すればいいのかがわからなかったのだ。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
夢野久作 / あやかしの鼓
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まるでやる気のないそば屋があった。 店頭の食品サンプルは、すっかり陽にやけて色あせ、ザルソバにも天丼にもうっすらとホコリがかぶっている。
東海林 さだお「タコの丸かじり (文春文庫)」に収録 amazon
線路の上まで白いしぶきのかかるあの蒼茫 たる町
林芙美子 / 新版 放浪記
(ハワイのフリヘエ宮殿は)宮殿といってもそれは普通の大きな家という感じで華美な装飾はない建物なのだが、王族が好んで住んだだけのことはあるすばらしい風格があった。
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
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