TOP > 人物表現 > 記憶 > 思い起こす・記憶をたどる
(ちらりと見たものを思い出す)眼の奥にそのものの像を捕えながら、しばらくはその見たものがなんであったか意識しないことがあるものだ。そして一定の時間の経過のあとでそれがなんであったか気がつく。
阿刀田 高 / ナポレオン狂「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:95% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
ちらりと見える
思い起こす・記憶をたどる
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......う心理を吐露したものだ、と私はその時に思った。 しかし南沢氏の家を遠ざかるにつれ奇妙な考えが込みあげて来た。身を震わせたのは夜の寒さのせいばかりではあるまい。 眼の奥にそのものの像を捕えながら、しばらくはその見たものがなんであったか意識しないことがあるものだ。そして一定の時間の経過のあとでそれがなんであったか気がつく。 さっき書斎を兼ねた応接間で眼に留めたもの──その時はさして気にも掛けなかったもの──その存在が冷えきった夜の黒さの中に明晰に浮かんで来た。 南沢氏のデスクの上......
単語の意味
暫く・姑く・須臾(しばらく)
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
2.ちょっと待った!
ここに意味を表示
ちらりと見えるの表現・描写・類語(見るのカテゴリ)の一覧 ランダム5
弟のことになると突然彼女の性格の背骨が見えて、私にも母にもない才能が発揮されることがある。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
思い起こす・記憶をたどるの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
記憶の蔵からなつかしいものにハタキをかけて取り出してくるときの顔
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
あれは昭和二十六年やったと言いながら、武内は 朦朧 とした頭の中のそこだけいやに 冴えわたった一隅で、阪神間を一望する芦屋の高台から 眺めた夜の海を思った。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
有無を言わさず摘み取られてしまったような幼い日を手繰り寄せる
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
昔訣 れた幾人もの夫の面影を胸の中に取出し、愛憎交々 の追憶を調べ直している
岡本かの子 / 巴里祭
現実のように眼の前にちらついた。
岡本かの子 / 巴里祭
このカテゴリを全部見る
「記憶」カテゴリからランダム5
その座布団は彼の幼時からの記憶につながれていた。同じ切れ地で夜具ができていたのだった。
梶井基次郎 / 過古
「見る」カテゴリからランダム5
笠のつばを上げて
吉川英治 / 無宿人国記
何かに心を奪われると、そこに視点が定まり、どこまでも深く吸い寄せられてゆく。
小川 洋子 / 乳歯「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
記憶 の表現の一覧
見る の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ