アカシヤの大木が 聳え、道をふさいで張り出した根を、自分の蔭で 蔽っていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 ページ位置:3% 作品を確認(amazon)
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樹木・木々
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......なかった。 別れを告げる時、偶然顔を見合せた一人の兵士の顔は歪んでいた。私自身の歪んだ顔が、欠伸のように伝染したのかも知れない。私は出発した。二 道 部落の中はアカシヤの大木が聳え、道をふさいで張り出した根を、自分の蔭で蔽っていた。住民の立ち退いた家々は戸を閉ざし、道に人はなかった。敷きつめた火山砂礫が、褐色に光り、村をはずれて、陽光の溢れる緑の原野にまぎれ込んでいた。 臓腑を抜かれたよう......
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(エゾマツの)幹に耳を当てると、根が水を吸い上げる音がかすかに聞こえる。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
銀杏が黒い夜の空に怪物のように突っ立っていた。
広津和郎 / 神経病時代 amazon
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浜木綿(はまゆう)の太い茎の先についた群れ花が、白く人の顔のように宙に浮いて見える
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
一画に草の束が積み上げられ、青臭い汁の濃厚な匂いがたちこめる
奥泉 光 / 石の来歴 amazon
海棠(かいどう)の花をながめ、今朝みた夢の血の色のようだ、などと思った。
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
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