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(貧乏な顔)父の姿が浮かんでくる。それはその金銭の圧力感の中から形をとり、現われて来るのである。それは金に圧し潰された種族の顔である。優しい心の働きを金に奪い取られたもののもつ顔である。金の中の老衰の表情である。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 ページ位置:10% 作品を確認(amazon)
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所帯じみる
貧乏・お金がない
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前後の文章を含んだ引用
......を感じた。それは或る意味で哀れな醜い自由を失った感情であり、彼は自分のその感情の後に、汚れた光を放っているような父の姿を見出し、それをじっと見つめるようにした。父の姿が浮かんでくる。それはその金銭の圧力感の中から形をとり、現われて来るのである。それは金に圧し潰された種族の顔である。優しい心の働きを金に奪い取られたもののもつ顔である。金の中の老衰の表情である。左にゆがんだ長い鼻隆、瞼の肉の薄い眼、短い眉。この眼は遠くを見ない。人々の顔の中で何を読み取ろうとするのか、しばしば小さく動く。しかも哀れに小さく動く。茶色に近......
単語の意味
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵(すがた)
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵・・・1.身体の形。からだつき。人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
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所帯じみるの表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
彼女の変りはてた疲れた姿
野間 宏 / 残像「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
従姉はすっかり世帯やつれのした女に変っていた。結婚して二年にもならないのに、生活に追いまくられてひどく疲れた表情をしていた。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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買いたいものがあっても金に不自由していた自分は妙に吝嗇 になっていて買い切れなかった。
梶井基次郎 / 泥濘
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貧乏をすると云う事が、こんなに私達の心身を食い荒してしまうのだ。
林芙美子 / 新版 放浪記
「材料の値上り分を売値にのせることが、どうしてもできない」 切なげに洩らした。 この良心が固定客をつかんでいればこそ、営業をつづけていられるのだろう。
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
国へ帰るのだと嘘を言って金を借りる
林芙美子 / 新版 放浪記
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水のように静かでさびしい翳(かげ)が離れない娘
海音寺 潮五郎 / 武道伝来記 amazon
オルガは細いジーンズに長袖の白いTシャツという格好の、金髪の女性だった。たぶん二十代後半だろう。身長は百七十センチ前後で、顔はふっくらとして、血色が良かった。裕福な農家に生まれ、そこで性格の良いおしゃべりな鵞鳥たちと一緒に育てられたという印象があった。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
香水のようにほのぼのと情緒を匂わせて来る頼子。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
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