TOP > 人物表現 > 動作・仕草・クセ > フラダンス


カテゴリ検索 単語の意味
(フラダンス)それに、ステージの上のあざみさんはだれよりも輝いていた。  長い髪の毛が生き物のように揺れ、スカートがきちんとリズムを刻んで、顔はうっとりと優しく微笑み、肌はぴかぴかに黒かった。裸足の足が床に触れるごとに世界が喜んでいるのがわかった。ああ、世界は今彼女を愛している。そして彼女も大きな美しさを世界に返している、そう思った。  その交歓は官能的ではあったが、全く 淫靡 ではなかった。  まるで花が性器であるその部分を太陽に向かって大きく開いてその香りや色で人びとや虫たちを幸せにしているような感じだった。生まれてきたこと、今、この世に存在することの歓びがあふれていた。それは一方的なものでなくて、世界も彼女がいることを喜んでいるのだった。踊りという言葉でそれは空間に広がって、また戻ってくる。その光に私は魅せられた。  ああ、こういうのが恋っていうんだ。世界も彼女に恋をしているけれど、彼女を欲しがってはいない、そう感じた。それなのに彼女は全身が蜜みたいに甘くしっとり濡れている。世界は彼女を見たがっている。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 ページ位置:8% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
フラダンス
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......呼ばれるお祈りの声とともに女の人たちが出てきて、フラのショーが始まった。 私には、その運命の人がどの女性か、すぐにわかった。死んだママに少し似ていたこともある。それに、ステージの上のあざみさんはだれよりも輝いていた。 長い髪の毛が生き物のように揺れ、スカートがきちんとリズムを刻んで、顔はうっとりと優しく微笑み、肌はぴかぴかに黒かった。裸足の足が床に触れるごとに世界が喜んでいるのがわかった。ああ、世界は今彼女を愛している。そして彼女も大きな美しさを世界に返している、そう思った。 その交歓は官能的ではあったが、全く淫靡ではなかった。 まるで花が性器であるその部分を太陽に向かって大きく開いてその香りや色で人びとや虫たちを幸せにしているような感じだった。生まれてきたこと、今、この世に存在することの歓びがあふれていた。それは一方的なものでなくて、世界も彼女がいることを喜んでいるのだった。踊りという言葉でそれは空間に広がって、また戻ってくる。その光に私は魅せられた。 ああ、こういうのが恋っていうんだ。世界も彼女に恋をしているけれど、彼女を欲しがってはいない、そう感じた。それなのに彼女は全身が蜜みたいに甘くしっとり濡れている。世界は彼女を見たがっている。 パパは誇らしげに言った。「オハナにはだれがパパの彼女だかわかるか?」 十八だった私は答えた。「愚問だね、パパ。あの人でしょ、前列右から二番目の人。」「す、すご......
単語の意味
交歓・交驩(こうかん)
髪の毛(かみのけ)
交歓・交驩・・・親しく交わること。互いに打ち解けて楽しむこと。
髪の毛・・・頭部に生える毛。毛髪(もうはつ)。髪。
ここに意味を表示
フラダンスの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
まったく音を立てずに、淑女のようにスープを飲んだ。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon関連カテスープ飲む
動悸が速まり、呼吸が微かに乱れている
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon関連カテ動悸・胸がドキドキ・心拍数が上がる呼吸が乱れる
カテゴリ検索 単語の意味
同じカテゴリの表現一覧
動作・仕草・クセ の表現の一覧 
人物表現 大カテゴリ
表現の大区分