TOP > 感覚表現 > 音の響き > 電話の音・電話が鳴る・着信
誰も電話には出ない。電話は死を予感した象のように何度か狂おしく鳴き叫び(32回というのが僕の数えた最高だ)、そして死んだ。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:30% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
電話の音・電話が鳴る・着信
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......時代の平和な世界だ。 管理人が管理人室にいたためしがなかったので、電話のベルが鳴るたびに住人の誰かが受話器を取り、相手を呼びに走った。もちろん気が向かない時には誰も電話には出ない。電話は死を予感した象のように何度か狂おしく鳴き叫び、そして死んだ。死んだ、という言葉はまったくの文字どおりのものだった。ベルの最後の一音がアパートの長い廊下を突き抜けて夜の闇に吸い込まれると、突然の静寂があたりを被った。実に不......
単語の意味
叫ぶ・号ぶ(さけぶ)
象(ぞう)
叫ぶ・号ぶ・・・1.何かを訴えるために、大きな声を出す。大声を発する。大声で言う。
2.世間に向かって強く主張する。強く訴える。
2.世間に向かって強く主張する。強く訴える。
象・・・ゾウ科の哺乳動物。巨大で全身灰色、長い牙を持つ。最大の特徴である自由に屈伸する長い鼻は、人間の手と同じように物を掴むことができる。「象」の字は象の姿の象形文字。アジア象は基本的に穏やかな性格で、家畜として飼育される。
ここに意味を表示
電話の音・電話が鳴る・着信の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
携帯電話が震え、杏子の携帯電話番号をディスプレイに表示している。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(小布団の敷かれていない電話機)じかに置くと、ベルが鳴ったとき耳障りながさつな音を立てる
向田邦子 / 花の名前「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
電話のベルが鳴った。ベルの音が頭の中に進入してきて、緑色のギザギザした光を放つ。
池澤夏樹 / 真昼のプリニウス amazon
(電話に出ない、居留守)胸のうちで呼び出し音を数えている。いつまでも鳴り止まない気がしはじめたころ、音が途切れる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「音の響き」カテゴリからランダム5
伊吹の声が、私のすぐ横で薄暗い空気を揺すっている。 私はその振動を、鼓膜で齧るようにゆっくり耳の中に吸い込みながら歩いていた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
「電話」カテゴリからランダム5
切れた電話を耳に当てたまま立ちすくみ、断続する機械音を聞いている。首のあたりの太い血管を通り抜けていく血の音も聞こえる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
酸欠の金魚のように口を動かして、通話のふりをする
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
どこかの居酒屋にでもいるらしい大町の背後からは、騒々しい人の声がしていた。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
音の響き の表現の一覧
電話 の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ