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卵色の濁った夕空
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:100% 作品を確認(青空文庫)
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夕方
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前後の文章を含んだ引用
......の戻ったのを見ると、いきなり砕けそうに伸子の手を掴んだ。 「ああ、ああ、鳥でさえ帰って来るのに――……君は……君は……」 苦々しい心が湧き、伸子は目を逸した。飼鳥になっては堪らない。そういう心持がした。伸子の視線の行手に夕方の空が見えた。都会の卵色の濁った夕空の前に庭の松が黒く見えた。非常に鮮やかにくっきり、松葉の一本一本が黒く見えた。
単語の意味
夕空(ゆうぞら)
夕空・・・夕方の空。
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朝井 リョウ / 僕は魔法が使えない「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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