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あたりに漂う芳香には 揮発 性があり、あたかも生命の息吹のように、はかなく天に昇る。それゆえにあらゆる宗教的な儀式において、乳香と 没薬 は重要な役割を演じるのである。香りにはどこか霊的な働きがある。
新渡戸稲造 訳:岬龍一郎「いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道 (PHP文庫)」に収録 ページ位置:72% 作品を確認(amazon)
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花、植物のにおい
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前後の文章を含んだ引用
......まいつでもその生命を捨てる覚悟がある。その色はけっして派手さを誇らず、その淡い匂いは人を飽きさせない。草花の色彩や形は外観だけのもので固定的な性質である。だが、あたりに漂う芳香には揮発性があり、あたかも生命の息吹のように、はかなく天に昇る。それゆえにあらゆる宗教的な儀式において、乳香と没薬は重要な役割を演じるのである。香りにはどこか霊的な働きがある。 太陽が極東の島々を照らし、桜の芳しい香りが朝の空気を生き返らせるとき、この麗しい息吹を胸一杯に満たすときほど、さわやかな澄んだ感覚を覚えることはまずないであろ......
単語の意味
芳香(ほうこう)
揮発(きはつ)
芳香・・・芳(かぐわ)しい香り。いい匂い。素敵な香り。
揮発・・・常温で液体が気体になること。
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斧による鋭い切口から官能的な甘さのまといつく匂いをたてている生木
大江健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
一画に草の束が積み上げられ、青臭い汁の濃厚な匂いがたちこめる
奥泉 光 / 石の来歴 amazon
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懐しい草の匂いが鼻をついた。ずっと昔のピクニックの匂いだ。五月の風はそのように時の彼方から吹き込んできた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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蔓自身は弓弦(ゆづる)のように張りきった
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
(苔は)緑玉を砕いて棄てたようである
島崎 藤村 / 新生 amazon
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