杉林の間からいつも氷室 から来るような冷気が径へ通っている
梶井基次郎 / 筧の話 ページ位置:38% 作品を確認(青空文庫)
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寒い・冷気・凍える
山道・峠道
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前後の文章を含んだ引用
......れまでがはっきりと写った。 この径を知ってから間もなくの頃、ある期待のために心を緊張させながら、私はこの静けさのなかをことにしばしば歩いた。私が目ざしてゆくのは杉林の間からいつも氷室 から来るような冷気が径へ通っているところだった。一本の古びた筧 がその奥の小暗いなかからおりて来ていた。耳を澄まして聴くと、幽 かなせせらぎの音がそのなかにきこえた。私の期待はその水音だった。 どう......
単語の意味
冷気(れいき)
冷気・・・ひんやりと冷たい空気。冷え冷えした気候。
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寒い・冷気・凍えるの表現・描写・類語(気温のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ふけるままにしみ込む寒さはそっと床を伝わって足の先からはい上がって来る。
有島武郎 / 或る女
透明な冷気が首筋を伝う。わたしは首をすくめる。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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山道・峠道の表現・描写・類語(道・道路のカテゴリ)の一覧 ランダム5
バスは突然ひやりとした杉林の中に入った。杉はまるで原生林のように高くそびえたら、日の光をさえぎり、うす暗い影で万物を覆っていた。開いた窓から入ってくる風が急に冷たくなり、その湿気は肌に痛いばかりだった。谷川に沿ってその杉林の中をずいぶん長い時間進み、世界中が永遠に杉林で埋め尽くされてしまったんじゃないかという気分になり始めたあたりでやっと林が終り、我々はまわりを山に囲まれた盆地のようなところに出た。
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
山々のまっただなかを電車で走ると、森を走るのとほとんど変わらない光景になる。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
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「気温」カテゴリからランダム5
暑さにけむるような街は白く乾いて
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
部屋は冷たい透明な膜をかぶせたように、寒かった。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
「道・道路」カテゴリからランダム5
田園地帯を蝶結びするような高速の高架
吉田修一「悪人」に収録 amazon
生垣の小途(こみち)が網のようにつづき
大原 富枝 / ストマイつんぼ (1957年) amazon
横に切れた路地
林芙美子 / 新版 放浪記
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