一仕事終えた後のようなやる気の起きない状態

ぺしゃんこに疲れ果ててしまって、水がやけに飲みたかった。

クッションの利いたシートに頭から突っ込むように倒れこむ

我々はうまく口をきけないくらい疲れていた。からだの隙間という隙間に、歯医者が充填用に使うセメントが詰まっているみたいな気がした。

全身の筋肉がぶちのめされたように疲れている

眉根を寄せて真剣な顔をする

きっぱりとした語気で断る

（倦怠期）熟年離婚みたいな心境

うんざりする

何か気に入らないことでもあるかのように不機嫌な唸り声を洩らした

疲労から、やどかりのようにとじこもって殼のなかでぐったりしてヘンリー・ミラアを読んでいた。

ザクロのようなあかぎれ

足がうごいてゐるかどうかもわからずからだは何か重い巌（いは）に砕かれて青びかりの粉になってちらけるやう何べんも何べんも倒れては

軀の工合が袋をかぶっているようにはっきりしないのだ。

（自閉症専門のカウンセラー）こういう仕事にひどく疲れるときもある。 　患者を本当に助けたかったら、患者にシンクロしたり、共鳴したりしてはいけない。でも強烈にただ、同調を求めてくる患者に波長を合わせないようにするのは苦しい。腹ぺこのときに目の前にごちそうがあっても気にしないようにする、それと同じくらい難しい。 　向こうは命がけでシンクロだけを望んでいるのだから。エネルギーのすべてをその一時しのぎに注いでくるのだ。 　だから 喩えて言うと、プロのウエイターになったように意識を保つ。腹がへっていてもウエイターが食べ物を運びながらむらむらしていては仕方がない。そんなふうにそらす。 　自分が何をしたいのかを忘れないようにする。治したいんだろう？　治ってもらいたいんだろう？　その基本に常に意識を合わせる。適当にでも何でも、合わせる。とりこまれないようにする。 　自分が手伝おうとしているもののほうに協力体制がない、そのことに時々、ものすごーく疲れる。