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脱いだガウンはドアの外の空間に捨てた。それはきずなを解かれた魂のように、風に乗ってさまよい、遠くに消えていった。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:64% 作品を確認(amazon)
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捨てる・放り出す
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......とすみれは思った。彼女は病院で着せられるような匿名的な、長くて白いガウンを着ていた。彼女はその服を脱ぎすてて、裸になった。ガウンの下にはなにもつけていなかった。脱いだガウンはドアの外の空間に捨てた。それはきずなを解かれた魂のように、風に乗ってさまよい、遠くに消えていった。同じ風が彼女の体を撫で、陰毛を揺らせた。ふと気がつくとそれまで近くを飛んでいた小型飛行機は全部とんぼに変わっていた。空は色とりどりの大きなとんぼでいっぱいだった......
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私を働かせて煙のように捨ててしまった
林芙美子 / 新版 放浪記
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嵐のように暴れ廻っている
堀 辰雄 / 風立ちぬ amazon
(幻覚で、)ロマンスを彩って垂れていた薄青色の紗の幕が、途端にハッと消えてしまいました。まるで別荘の廊下に置かれた裸蝋燭の灯が、冷たい夜風のか弱いひとあおりにフッと滅してしまうような工合です。
村上知行 / 殉情の人
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一本道にかかると、荒い幅広い風が幾里も先の山脈からその一筋道に吹き下した。
宮本百合子 / 伸子
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